あらびき団が「ゴールデンに向かない」納得理由 TBSの過去番組と比較することで見える秀逸さ

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またネタ番組ではないが、あらびき団と笑いの質や見せ方が似た番組もある。それはTBS系列で長らく人気をキープしている『水曜日のダウンタウン』だ。

ユニークな検証企画を敢行したVTRが流れ、スタジオの出演者がその模様を見守る。これはネタVTRを見ながら、スタジオのMC陣やゲストがコメントする『あらびき団』と同じ構造だ。

また、VTRの中でクセのある素人にカメラを向けたり、意地の悪いナレーションを挿入したりする編集にも、近しいものがある。『あらびき団』では、ネタ中にスタッフが演者を睨む様子を差し込んだり、体を張ったネタに今更のようにペレス・プラードの楽曲「マンボNo.5」をつけて編集したりと、演者の意図を踏みにじるような演出が多い。

MCの東野はこうした見せ方を「悪意のある編集」と口にしていたが、『水曜日のダウンタウン』でもたびたび同じような指摘が見られる。ネタやVTRの“ほつれ”にスポットを当て、スタッフが主にMC陣を笑わせにかかっているのだ。

あえて違いを挙げるなら、『あらびき団』の演者が、なかなかブレークにつながらないことだろうか。番組の個性が強く、パフォーマーたちはまさに特殊なサーカス団のうちの1組として認識されてしまうのかもしれない。

最大の特徴と、最大の弱点

さらにマニアックなネタ番組という意味では、『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』(フジテレビ系)にも通じるところはある。

しかし、『細かすぎて~』はすべてスタジオ内で完結しており、編集よりも場の空気感や演者の力量が問われる番組という意味でだいぶ違う。『あらびき団』はネタそのものよりも、番組のコンセプトのほうに重きを置いているように感じるのだ。

今年2月のゴールデンスペシャルは、その点で少しバランスが悪かったように思う。時間帯としては人気芸人を出演させたかったのだろうが、そのことで、人気芸人が次々とネタを披露してMCの千鳥が突っ込みをいれる『千鳥のクセがスゴいネタGP』(フジテレビ系)が、脳裏を過ぎってしまったのである。

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