あらびき団が「ゴールデンに向かない」納得理由 TBSの過去番組と比較することで見える秀逸さ

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『ゲンセキ』に対して、レギュラー放送時の『あらびき団』は、ふとっちょ☆カウボーイ、ハリウッドザコシショウといった個性派の中堅芸人、風船太郎のような大道芸人、“セーラー服おじさん”として知られる安穂野香のような一風変わったパフォーマーなど、一度見たら忘れられないような面々が活躍した。

ちなみに品川庄司・庄司智春は、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)と『あらびき団』で裸芸を披露して自身のイメージチェンジに成功した1人だ。新人よりも中堅、華やかさよりもいぶし銀の味わい深さこそが、番組を盛り上げる要素となっているのだろう。

ネタ番組という観点から見ても、『あらびき団』は特殊だ。例えば同じTBS系列の『賞金奪い合いネタバトル ソウドリ〜SOUDORI -』は、「個性派ツッコミ」や「フリップ芸人」などユニークな“括り”こそ設けられているが、基本的には若手中心のネタ番組である。

少し変わったところでは、現在特番となっている『歌ネタゴングSHOW 爆笑!ターンテーブル』(レギュラー放送は、2021年4~6月)があるが、この番組も基本的には若手芸人が中心となって歌ネタを披露するというものだ。いずれも番組の企画にイキのいい芸人を放り込む、ある種、まっとうなスタイルである。

芸人も番組コンセプトに寄せてくる

一方で『あらびき団』は“サーカス団のオーディション”という設定もあり、ユニークな大道芸人や体を張った芸風がよくなじむ。段ボールで作った大道具に体当たりしたり、上半身裸で舞台上を駆けずり回ったり、チープなマジックショーのような演出でネタが披露されたりするのはこのためだ。スマートな芸風は番組にマッチしないのである。

同じようにネタを披露する番組でありながら、ここまで強いコンセプトは極めて珍しい。レギュラー放送時に『あらびき団』に出演した芸人でさえも、もともとのネタの芸風を、番組の色合いに寄せていたのを思い出す。それほど番組の軸が一貫しているのだろう。

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