誕生50周年「日本のカニカマ」が世界へ広がり ヘルシー志向で欧米、アジアを越えて中東にも 

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そんな複雑なカニカマ事情を抱えるヨーロッパ市場に向けて、紀文食品は2018年にオランダ・アムステルダムに現地法人を設立し、数々の参入ハードルをクリアして輸出拡大に取り組んでいる。2021年度決算ではヨーロッパにおける海外食品事業売り上げが前年度比60%の大幅増となった。現在の課題、今後の方針について同社はこう回答した。

紀文食品のカニカマ
「日本の食品輸出EXPO」に出展した紀文食品のブース(写真提供:紀文食品)

「ヨーロッパでの販促活動としては、(現地の)日系、オリエンタル市場に対していかにシェアを上げていけるかが課題ですね。他社と差別化が図れる、より蟹身に近い商品や巻きずし用のカニカマなどをメインに展開中です。

今後は日系市場とともに、中華系、韓国系市場についても商品を拡販していく必要があると考えています。また、オリエンタル系小売店や、業務用として居酒屋、ラーメン屋、寿司チェーンなど外食店の要望に沿った商品開発を考え、新規チャネルへの商品導入を図ることが必要ですね」(紀文食品広報担当者)

カニカマ最大の消費マーケットであるヨーロッパで、いかに日本ブランドの高品質カニカマを展開させられるかが大きなテーマといえそうだ。

世界中でさまざまな料理法で愛され続けるカニカマは、紛れもなく日本が生み出した最高傑作である。元祖については、製造法などにより諸説があるようだが、即席めん、レトルトカレーと並ぶ戦後の食品三大発明といわれるカニカマの文化が、今後どんな広がりを見せるのか楽しみである。

山田 稔 ジャーナリスト

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やまだ みのる / Minoru Yamada

1960年生まれ。長野県出身。立命館大学卒業。日刊ゲンダイ編集部長、広告局次長を経て独立。編集工房レーヴ代表。経済、社会、地方関連記事を執筆。雑誌『ベストカー』に「数字の向こう側」を連載中。『酒と温泉を楽しむ!「B級」山歩き』『分煙社会のススメ。』(日本図書館協会選定図書)『驚きの日本一が「ふるさと」にあった』などの著作がある。編集工房レーヴのブログでは、最新の病状などを掲載中。最新刊は『60歳からの山と温泉』(世界書院)。

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