誕生50周年「日本のカニカマ」が世界へ広がり ヘルシー志向で欧米、アジアを越えて中東にも 

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1976年からアメリカ向けの輸出を開始したスギヨの2021年度の海外事業実績は約11億円でカニカマが85%を占める。1986年にはアメリカ・ワシントン州に法人を設立し、翌年から現地生産に乗り出した。輸出に関しては、現在は中国向けが9割で、その他は東南アジアや中東。今後は経済発展が続き日本食が親しまれている東南アジア(ベトナム、マレーシア、タイなど)や中東などを強化する方針だという。

2021年度の海外食品事業実績が約111億円(前年比18.5%増)と好調の紀文食品も、カニカマの売り上げが伸びている。同社はカニカマと糖質ゼロの「Healthy Noodle」を海外食品事業の戦略商品と位置付けている。このうちカニカマの対前年度伸び率は19.8%とほぼ2割に達した。同年度のカニカマの海外売上額は70億円強になる。

紀文食品はカニカマの基幹工場がタイにあり、そこから欧米、アジア、オセアニアなど海外マーケットに輸出している。市場別の売上比率は未公表だが、北米向けがもっとも多いという。今後は地域(市場)に合った商品投入と新規顧客の開拓を強化していく。具体的には高品質タイプ、国内で生産した日本ブランド製品の開発・販売や、低コスト(量販向け)製品の開発(タイ工場から日本へ輸入)などのプランがあり、タイ工場の生産能力増強等の強化策を講じていくとしている。

スーパーボウルやクリスマスシーズンによく売れる

輸出や海外工場での生産などでいまでは世界各国で愛されているカニカマだが、最大の輸出先であるアメリカではどんな形で食べられているのだろうか。ワシントン州シアトル郊外の工場で生産しているスギヨに話を聞いたところ、面白い情報が飛び出してきた。

アメリカで人気のカニカマ
スーパーボウルにちなんだ店頭販促も(写真提供:スギヨ)

「家族や友人が家に集まってホームパーティーを開くことが多いスーパーボウル(プロアメリカンフットボールNFLの優勝決定戦=2月の第1日曜日)の日に向けて、カニカマを使ったパーティーメニューを弊社が提案したところ、これがすっかり人気になりました。販売しているスーパーでは、カニカマを割いて花のように盛り付けて店頭に並べます。アメフトのボールやポストの形をカニカマで表現する店舗もあります」(スギヨ広報担当者)

アメリカでは、カニカマをカクテルソースにディップして食べるのがポピュラーだという。マヨネーズをかけてあぶったカニカマを寿司にするといった食べ方や、タコスに挟んで食べるなど試してみたくなるような食文化となっている。

売り場もユニーク。日本ではかまぼこやちくわなどと同じコーナーに陳列されているが、カニやエビのコーナーの間に大量に陳列して売っているスーパーもある。ポンド単位の量り売りである。これまたお国柄ということか。

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