ジョン・リスト教授とウリ・ニーズィー教授による『その問題、経済学で解決できます。』は、鬼才スティーヴン・レヴィット教授をして「ここ50年で最大のイノベーションだ!」と言わしめた話題の書。最先端の行動経済学で身近な問題から格差・差別といった大問題まで答えを出していると日本でも話題となり、各紙誌で絶賛された。
数あるテーマの中から、ビジネスと教育にまつわる問題を解決するためにどうすればよいのかを、著者のひとりであるウリ・ニーズィー教授に聞いた。
(2015年2月、メールでのインタビューを出版局が再構成。文責:出版局、翻訳:望月衛)
その戦略で結果を出せるかは、実験してみないとわからない
――どんな経緯で、2人でこの本を書くことになったのでしょうか。
最初、僕たちはそれぞれ別々に、行動経済学や実地実験をやっていたのです。あるときジョンの論文を読んで感動したんですよ。そういうことはあんまりないんだけど。で、それから会って、そう経たないうちに一緒に仕事をするようになりました。
本を書くことにしたのは、「実社会」に伝えたいことがあったから。人が実際にはどう振る舞うかわかってないと、会社も政府もそれ以外の組織も、成功はおぼつかないのです。
だから政策や戦略は行動科学の発見の上に築くのが大事。ということは、行動科学に基づく戦略が本当にうまくいくかどうかテストしてみるのが、大事な手続きだってことになりますよね。直感に頼って間違ったほうへ、なんてことが、僕たちにはとてもよくあるわけだし。
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