味に敏感な子に「頑張って食べようね」が禁句な訳 小学校の給食の時間が苦痛で仕方がなかった

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お弁当持参の初日。給食が始まる前に先生がクラスのみんなに説明します。

「勉強が嫌いな人、運動が苦手な人がいるように、加藤くんは給食が苦手です」

「みんなにも1つくらい苦手なことがあるよね?病院の先生がお弁当にしたほうがいいと言っているので今日から加藤くんはお弁当です。加藤くんが食べているかどうかは先生が見ているから、みんなは気にしなくていいです」

先生の一言で解放された

その日から、女子の「もっと食べなよ。大きくなれないよ」攻撃がなくなりました。僕の通う小学校では5、6年生はクラス替えがなかったため、5年生からメンバーが変わらず、6年生になっても「食べろ攻撃」は続いていました。しかし、先生のたったひと言で僕は食べなければならないプレッシャーから解放されたのです。

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そして、実はこの日の数日前、「お弁当にするという話を自分でみんなに言うか、それとも先生が説明したほうがいいか選んでいいぞ」と先生に言われていました。

僕は話すのが怖くて、先生に説明してもらって、最後に自分で「よろしくね」と挨拶する方法を選びました。

こういった対応は学校の先生の対応方法として何かのテキストなどに載っているのかもしれませんが、少なくとも僕は、先生から選択肢をもらったことで安心できました。

そして、先生が自分の代わりにうまく説明してくれる安心感を持ちながら、みんなとは違う自分を少し、受け入れられたのです。

加藤 路瑛 「感覚過敏研究所」所長

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かとうじえい / Jiei Kato

2006年生まれ。17歳。株式会社クリスタルロード代表取締役社長。感覚過敏研究所所長。聴覚・嗅覚・味覚・触覚の感覚過敏があり、小学生時代は給食で食べられるものがなく、中学生になると教室の騒がしさに悩まされ中学2年生から不登校。その後、通信制高校へ進学。子どもが挑戦しやすい社会を目指して12歳で親子起業。子どもの起業支援事業を経て13歳で「感覚過敏研究所」を設立。感覚過敏の啓発、対策商品の企画・生産・販売、感覚過敏の研究に力を注ぐ。

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