トップガン マーヴェリック、昭和世代が熱狂の訳 トム・クルーズの働き方に見た「現役」の意味

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あえて最新機ではないF-18を使って第5世代機に挑んでいく。最後には36年前の愛機F-14まで操縦する。そして、そうした戦闘シーンは一切CGに頼ることなく撮影する。最新のテクノロジーではなく、アナログながらリアルな迫力にこだわる。

「Not Today」の本当の意味

そして冒頭と最後に登場する『P-51』という第2次世界大戦時の飛行機。あれはトムの自家用機らしいのですが、最後に恋人と優雅にフライトするシーンからは、「時代遅れの遺物だって、まだまだ顕在!」「おっさんパワー舐めんなよ!」というメッセージを感じます。まさに「Not Today」を体現しているかのように。

こんなふうにスクリーンのトムは、昭和世代をノスタルジーの世界に連れて行ってくれます。懐古主義に浸り肯定することを許容してくれます。最新のテクノロジーではなく、アナログながらリアルな迫力にこだわる演出も、どことなくテレワークではなく出社を好む昭和世代の姿と重なります。老いに抗い現役にこだわる。昔風マネジメントが通用しない。そんな不器用な生きざまにも、自己投影し共感せずにはいられません。

しかし、カメラの回っていないところでのトムは、不器用どころか「卓越したマネジメント」で若者をうまくリードしています。用意周到なプログラムを準備し、自身の経験を教え伝え「教官」でありつづけたわけです。トム自ら「自分も編隊飛行2機以上の航空機が飛行する際に組む編体飛行隊形もできるようになり、さらに曲芸飛行も練習しています」とコメント。日々努力し、自身をアップデートしています。

「現役」でいるには、いくつになっても頑張るしかない――。「Not Today」という言葉には、こうした強い気持ちが込められているのかもしれません。結局のところ、オジサンもオバサンも懐古主義にどっぷり浸かっている場合ではないってことか……。トップガン、深いなぁ。

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