日本の「重症の民主主義」を再生させる3つの手段 「#投票に行こう」では変わらない現実を変える
投票率が低い日本。今年7月の参院選の投票率も45%程度と、前回からは微増したものの、過去4番目に低い投票率と言われる。「どうせ選挙に行っても変わらない」という思いもあるのかもしれないが、本当にそれでいいのか。そもそも「選挙」で世の中は変わるのか? イエール大学助教授の成田悠輔氏の『22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる』より紹介する。
若者が選挙に行くことで政治は変わる?
分厚いねずみ色の雲が日本を覆っている。停滞と衰退の積乱雲だ。どうすれば打開できるのか? 政治だろう。どうすれば政治を変えられるのか?
選挙だろう。若者が選挙に行って世代交代を促し、政治の目を未来へと差し向けさせよう。選挙のたびにそんな話を聞く。
だが、断言する。若者が選挙に行って「政治参加」したくらいでは何も変わらない。
今の日本人の平均年齢は48歳くらいで、30歳未満の人口は全体の26%。全有権者に占める30歳未満の有権者の割合は13.1%。2021年の衆議院選挙における全投票者に占める30歳未満の投票者の割合にいたっては8.6%でしかない。若者は超超マイノリティである。
若者の投票率が上がって60~70代と同じくらい選挙に行くようになっても、今は超超マイノリティの若者が超マイノリティになるだけ。選挙で負けるマイノリティであることは変わらない。
若者自身の行動も追い打ちをかける。日本の若者の投票先は高齢者の投票先とほとんど変わらないという事実だ。
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