異常な日本はいつまで経っても賃上げできない 「恐怖の5段活用」で浮き彫りになる日米の違い

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なかでもアメリカ経済の下方修正が目を引く。年初からの変化はこんな感じである。

7月 ▲3.4%(20)→5.7%(21)→2.3%(22)→1.0%(23)
4月 ▲3.4%(20)→5.7%(21)→3.7%(22)→2.3%(23)
1月 ▲3.4%(20)→5.6%(21)→4.0%(22)→2.6%(23)

逆に言えば、2021年のアメリカ経済はどれだけ好調だったんだよ、ということに気づかされる。アメリカ経済のGDPは、実額ベースでざっくり20兆ドル。それが5%成長したということは、それだけで約1兆ドルの富が増加したことを意味する。これはオランダかインドネシアの経済規模に等しい。もちろん、コロナ前の水準はとっくに取り戻している。それだけ調子が良ければ、インフレにもなりますわなあ。

中立金利後のアメリカはどうなるのか

7月28日朝に報じられたFOMC(連邦公開市場委員会)の結果は、先月に続いて0.75%の利上げとなった。これで利上げ幅は3月が+0.25%、5月は+0.50%、6月は+0.75%、そして7月も+0.75%。累計すると2.25%になる。利上げ開始からわずか5カ月で、アメリカの政策金利は中立金利と呼ばれる2.50%前後まで引き上げられたことになる。

問題はこれから先である。記者会見におけるジェローム・パウエル議長は、次回9月のFOMCに向けて明快なガイダンスを行わなかった。「データ次第」で様子を見ながら、8月のジャクソンホール会合で方針を打ち出す腹だろう。

ただし、FRBの真意は「タカ派寄り」と見ておくべきだ。パウエル議長はこの先、「景気後退になったとしても、インフレを止めないよりはマシ」と腹をくくっているようにお見受けした。

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