毎回同じことばかり書いていると言われそうだが、7月20~21日に行われる金融政策決定会合を前に、日本銀行の政策について総括したうえで、「最新の最重要アクションプラン(行動計画)」を提示したい。
以下の複数のプランの目的はいずれも日銀への信頼、金融政策への信頼性を維持することにある。また、敵は投機を繰り返すトレーダーであって、日銀ではない。
今回の決定会合は日銀が動くチャンスかもしれない。なぜなら、市場のトレーダーたちはアメリカの中央銀行の政策決定会合であるFOMC(連邦公開市場委員会、26~27日開催)における利上げ幅の予測の議論に掛かり切りで、日銀の政策変更を狙った投機的動きがないからである。政策変更が投機に屈したことにならない大チャンスだ。
なぜ「連日指し値オペ」を即刻やめるべきなのか
早速、日銀が原則毎営業日行っている「連日指し値オペ」(日銀が国債の利回りを指定して、無制限に買い入れる措置)の出口戦略から提案したい。
目的:投機的トレーダーを追い払うため
アクション1:連日指し値オペを即時中止する。今回の金融政策決定会合で行う。
解説:① 日銀は自ら宣言して市場に約束した手前、アクションは縛られている。したがって、投機トレーダーに完全に読まれている。というか、読む必要もない。そのアクションを利用して、むしろ絶好のターゲットとして、好きなときに好きなだけ揺さぶりをかけることができる。
② 国債を先物で売る投機トレーダーは失うものがない。国債の値上がり(利回り低下)の可能性はほぼゼロで、金利の上昇を避けようとして日銀が動けば儲かる。
③ 一方、日銀は追い込まれている。金融政策も、中央銀行の信頼性も背負っているから、自由度がない。さらに、物価高の主要要因の1つである円安の1つの原因である日銀が政治的に、かつほぼ全国民から責められている。異次元緩和に当初から反対してきた経済学者だけでなく、これまで支持してきたエコノミストまで日銀総批判に回っている。
④ 連日指し値オペは、当初は少ない国債買い入れ量で効果を持つという狙いとメリットがあった。しかし、現在では逆になっており、連日指し値オペが狙われて、それに対抗するため、結果的に、国債購入量が急増している。したがって「コミットメント戦法」ではなく、むしろ不意打ち、読めない戦略をとるために、事前には明かさず、指し値オペと量的入札を併用し、しかも、指し値の水準も毎回戦略的に動かすべきである。
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