早期リタイア「FIRE」を目指して結局後悔する理由 FIREの資金ができた頃、「つまらない人間」に

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貯金のための過度な節約は人生を貧しくする(写真:jessie/PIXTA)
お金に関わる老後不安の問題に対処する心構えとは? 経済評論家の山崎元氏、実業家の堀江貴文氏の共著による新刊『決定版! お金の増やし方&稼ぎ方』より一部抜粋・再構成してお届けする。

 

堀江:流行りの「FIRE」願望に垣間見る、貧しい仕事観

ひところ「FIRE」と呼ばれるライフスタイルが話題になった。FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取ったもので、「経済的自立と早期リタイア」を意味する。

(写真:徳間書店提供)

このFIREを実現するには「年間支出の25倍の資産」を築く必要があるらしい。そのお金をインデックス・ファンドなどで運用すると、だいたい4%の利回りが期待できる。同時に生活費をその利回り4%以内に抑えれば、運用の利益と出費がトントンになって資産は目減りしない。

つまり、できるだけ早く資産形成し、あとはその運用益だけで悠々自適の生活を送るというのがFIREだ。

僕はFIREについては違和感しかない。年間支出の25倍の資産を築くのは至難のワザだ。長い年月、修行僧のように節約して貯金に励まなくてはならない。

そこまでしてFIREをしたいのだろうか。つまり、そんなに仕事がつまらないのだろうか。いまの仕事が楽しければ、FIREなんて目指さないだろう。FIREのためにコツコツがんばっている人の多くは「とりあえずいまの仕事を早く辞めたい」と思っているのである。

早期リタイアして、それから自分のやりたいことを心ゆくまでやるのだ。あるいはそう考えている人もいるかもしれない。

でもいざそのタイミングになって、つまりいまから十何年も経ったあと、そのやりたいことは色あせずにいるだろうか? 怪しいものだ。それに実際にやってみたら意外とつまらなかったなんてこともありえる。長い年月、我慢に我慢を重ねてコツコツお金を貯めた先が「こんなはずじゃなかった」というのは辛すぎる。

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