日本より深い?ドイツ人の知られざる「マンガ愛」 いかに文化や芸術として社会に根付いてきたか

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ドイツで6月中旬に開かれたコミックフェスティバルには、コミックやマンガファンが大勢つめかけた(写真:筆者撮影)

「Manga」が世界のサブカルチャーになって久しいが、ドイツでもすっかり定着している。6月中旬にドイツ中南部のエアランゲン市で開かれたコミックのフェスティバル「インターナショナル・コミックサロン」から、過去25年でマンガどのように定着したのか見てみたい。

「ベテラン勢」が目立ったコスプレ

コミックサロンは1984年に始まり、2年ごとに開かれている。ドイツ語圏で最も重要なコミックフェスティバルの1つだ。コロナ禍を経て、今回は4年ぶりのリアル開催となった。

サロンでは出版社などの出展者によるメッセ、展覧会、映画上映、ワークショップ、講演、作家のサイン会などが行われる。日本からも作家が来ており、今年は「Ryuko」などの作品で、ヨーロッパで人気に火がついたエルド吉水さん招聘され、サイン会やジャーナリスとのトークライブを行った。

ヨーロッパで人気に火がついたエルド吉水さん。トークライブでは自らの創作についてなど、ユーモラスたっぷりに語った(写真:筆者撮影)

クライマックスは優れた作品に贈られる「マックス&モーリッツ賞」の受賞式。市内の劇場で開かれるが、今年は浦沢直樹さんが特別表彰「生涯功労賞」を受賞。ビデオで出演した。

「マックス&モーリッツ賞」の受賞式で浦沢直樹さんがビデオ出演(写真:筆者撮影)

会場は市街中心地の宮殿庭園と広場がメインで、市街全体がフェスティバルの雰囲気でいっぱいになる。そんな中でコスプレをした人たちが目につく。そこで気が付いたことがある。「セーラームーン」が「ベテラン」なのだ。

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