リモートで現実味、脱都会へ移住婚という新風潮 地方自治体が移住を前提にマッチングを支援
仮に結婚が進展せずとも、場所を気に入ったことで「移住だけ」という形になっても問題ないという。この点が、普通の婚活とは異なるレンジの広さと言えるだろう。
さらに、今年6月10日からは京都府が受け入れを開始。市町村規模での受け入れではなく、全国初となる都道府県規模での受け入れは、NHKをはじめとしたメディアも多数取り上げたほど。なぜ一丸となって取り組むのか?
婚活・移住・就労をサポート
「京都府では少子化が進んでおり、将来が先細りしていくのではないかという危機感がありました」
こう語るのは、京都府健康福祉部こども・青少年総合対策室。京都府は、1人の女性が産む子どもの数の指標となる「合計特殊出生率」が、2021年は1.22を記録し、全国で40番目の低い水準にとどまっている。合計特殊出生率は、結婚した女性が子供を産む指標である「有配偶出生率」と、女性が結婚している指標である「有配偶率」からなる。
「この二つが高くないと、合計特殊出生率は高くなりません。京都府は、『有配偶出生率』に関しては、全国平均とあまり変わりませんが、『有配偶率』は全国と比べるとかなり低いです。そのため、『有配偶率』を高めることが少子化への解決策になるのではないかと考えています」( 京都府健康福祉部こども・青少年総合対策室)
京都府は、“男性あまり”の地方とは異なる事情を抱えている。特に京都市内に限っては、産業構造や大学進学といった要因から女性が流入しやすい環境があるため、冒頭で触れた都市部ならではの“女性あまり”の状況にある。その一方で、地方部では男性比率が多いという状況もあわせもつ。都市部は都市部で、地方部は地方部で、それぞれ男女比率を近づけるために、移住婚の受け入れを開始したというわけだ。
「これまでやってきた結婚支援を行いながらも、移住婚のような京都府外からも来ていただける方を募る、新しい対策を講じていかなければいけないと。京都府は、『京都ジョブパーク』という就労を支援するセクションもあります。移住するにあたり、働く場所が必要になるので、府下の各自治体と連携を取りながら婚活・移住・就労、三本柱でサポートしていきます」(京都府健康福祉部こども・青少年総合対策室)
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