リモートで現実味、脱都会へ移住婚という新風潮 地方自治体が移住を前提にマッチングを支援
「都会の婚活事情は、女性が男性の3倍ほどいる“女性あまり”の状況なのですが、反面、地方の婚活事情は、男性があまっていて、女性は男性の3分の1ほどしかいません」
こう説明するのは、2010年から結婚支援を目的に活動を行う一般社団法人・日本婚活支援協会の代表理事を務める後藤幸喜さん。地方部の婚活事情は、“男性あまり”の状況が続いていると話す。
もちろん、各自治体も指をくわえて見ていたわけではない。婚活ツアーよろしく、地元男性と圏外からの参加女性をマッチングさせるような取り組みを行っていた。だが、遊び気分で参加する人も多く、 「地方の婚活は成立しないという諦めムードが漂っていた」と、後藤さんは教える。
「移住」、「結婚」を検索して女性が問い合わせ
こうした状況を打開するべく、放たれた一手が「移住婚」だ。
「地方移住と結婚をセットにして希望者(独身者)をバックアップすることはできないかと考えました。自治体の方も賛同してくれたのですが、どのように交際を進展させていけばいいのか探しあぐねていた。物理的な距離がある希望者と地元在住者の接点をどう作ればいいかなど、バス会社にも相談していました」(後藤さん)
その矢先、ここ日本でも新型コロナウイルスが大流行する。暗礁に乗り上げた――と思いきや、事態は急速に動き出す。「テレワークが普及したことで、希望者同士をオンラインでつなげることができるのではないか」。そう考えた後藤さんは、自治体に再度プランを提案。2020年8月、「移住婚」は本格的に動き出した。
「驚きました。何の告知もしていないのに、女性からの問い合わせが数十件ありました。移住、結婚といったキーワードを検索にかけて、「移住婚」のホームページにたどり着いたそうです」(後藤さん)
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