普通列車で本州横断、「磐越西線・東線」を乗り通す 郡山駅を境に、2線のカップリングの妙を楽しむ

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阿賀野川に沿う磐越西線。5回本流を渡る鉄橋には番号ではなくそれぞれ土地の名が付く。阿賀野川深戸橋梁は鹿瀬駅の日出谷方に架かり景観に溶け込む(写真:山井美希)
鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2022年9月号「何かと対照的な磐越西線・東線を行く」から、磐越西線を中心に再構成した記事を掲載します。

磐越西線は鉄道ファンもお馴染み

青春18きっぷで巡る路線として、磐越西線と磐越東線が思い浮かんだ。磐越西線と言えば、会津若松や喜多方の観光地としての知名度は高く、鉄道ファンにとっては国鉄時代の旧型客車、その上の世代には会津線・只見線のSL撮影への思い出が挙がるだろう。下ってJR時代になれば、1995年までDD51や電気機関車牽引の50系客車が活躍していたし、特急「あいづ」の流れを汲んで国鉄型特急電車による快速列車も注目された。それに、今でも「SLばんえつ物語」が新津―会津若松間を走る。首都圏から出向くに比較的気軽であり、かかる意味でよく知られる。

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一方、磐越「西線」があれば磐越「東線」もある、という点でカップリングの妙が楽しめる。しかしこの磐越東線は磐越西線のような高名な観光地はなく、強いて言えば三春の桜だろうか。話題にのぼるような特段の列車もない。それだけに路線に踏み入れたことがない、という人が多いだろう。ゆえにこの機に乗ってみたい。

というわけで、まずは上越新幹線の始発列車「とき301号」に乗り、スタート地点の新潟へと足を運んだ。もちろん端から18きっぷだけで旅行をするなら、上越線を乗り通すことが定番の組み合わせとなろうが、磐越東西両線を明るいうちに乗り通すなら、朝にいずれかのスタート地点に立っていなければならない。サンプルとしての旅行なので、ご容赦を願おう。

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