「気になる終点」狩留家駅、降りてみたら何がある? 中国地方ローカル線の旅で見た"赤字線"の実情
旅をしていると、気になる名の終点駅がある。例えば鹿児島本線では、荒尾行き、銀水行きというアナウンスが入る。山陽本線だと、白市行き、大野浦行きといった次第だ。
首都圏でいえば、意外に総武線の津田沼行きもその部類かもしれない。近隣に住んでいる人には日常だが、部外者にとっては興味が湧く。
私が従前から気になっていたのは広島からの芸備線、狩留家行きだ。「かるが」と読む。つづりや読みの難しさといい妙に惹かれる。けれども用事はないので、通過するばかりであった。
中国地方のローカル線へ
今年5月の連休、応援しているJ2リーグのジェフユナイテッド市原・千葉はアウェーで徳島ヴォルティスとの対戦。久しぶりにコロナの制限もない長い休み、その前に山陽・山陰への小旅行を計画した。気になっていた狩留家駅を訪問するとともに、芸備線や木次線といった中国地方のローカル線を味わうこと、出雲市から岡山まで国鉄時代からの特急「やくも」全区間に乗るのも目的だ。
岡山から四国へはすぐだ。GWなどの繁忙期にお得な切符はないので、以前紹介(2021年10月30日付記事「実は券売機でも買える『長い片道切符』で自由な旅」)した「長い片道切符」を作った。
・倉敷→(宇野・瀬戸大橋・予讃)→高松→(高徳)→池谷→(鳴門)→鳴門
・大阪市内→東京都区内
倉敷までなのは、ルート上ここで駅が重複し片道区間が終わるためだ。宍道―出雲市は区間外運賃を払い、鳴門―大阪間は高速バスを使った。
JR西日本は今年4月に「ローカル線に関する課題認識と情報開示について」と題して各地の赤字ローカル線の営業成績などを発表した。芸備線をはじめ、中国地方のローカル線は極めて厳しい状況に置かれている。今回は、その実情にも触れることになった。
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