「気になる終点」狩留家駅、降りてみたら何がある? 中国地方ローカル線の旅で見た"赤字線"の実情

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翌日は特急「やくも」である。最後に残る、いわゆる「国鉄顔」の特急電車381系だ。振り子式という遠心力により車体自体を傾ける仕組みで山間の曲線でもスピードを落とさず走行できる。重心を低くするため空調機器なども床下に設置し、屋根の上にはパンタグラフ以外、主な機器はない。しかし1973年に登場した古い車両で、JR西日本は2024年春以降に新型車両273系の導入を発表、引退が迫る。

最後に残る国鉄の特急電車としてファンの注目を集める「やくも」381系。写真は国鉄時代のカラーリングを復刻した車両(写真:sou/PIXTA)

8時31分発の「やくも10号」に乗車。381系は空調機器などを床下に設置した構造により、太いダクトが天井から床面まで柱のように設けられているため窓側の座席がない箇所がある。つまりその後ろに座れば、足を伸ばすことができる。

山陰本線では車窓左手に宍道湖が広がり、伯備線に入ると車窓右手、日野川、高梁川と川沿いを行く。初夏、田植えの始まった沿線には鯉のぼりが晴天の空に泳いでいる。冬の伯備線もいい。雪景色から晴れた天気へと変わることも多く、山「陰」から山「陽」に入ったことを実感できる。岡山で宇野線に乗り換え児島で降り、路線バスで下津井に出て宿泊とした。

地元利用者がいてこそだが…

児島から四国に渡り徳島戦へ。あえなく敗戦。昨年も利用した鳴門の宿。そのときは「渦潮の観光客が減り、企業の研修生受け入れもなくなった」との話であったが、今では公共工事も始まり、業績は回復しているという。

翌朝、高速バスで淡路島の景色を眺めながら大阪に出た。

以上、中国地方のローカル線を中心につづったが、接続のよい列車には観光客が多かったものの、そうでない列車は少数の地元の利用者のみであった。18きっぷの季節にはその違いはより顕著になるだろう。地元の人々が利用してこその鉄路である。

特に芸備線の東城―備後落合間は難しいと感じた。実際、今回この区間に乗車できないか幾度も検討したが不便さゆえに断念した。

2022年5月26日付の朝日新聞に、小奴可から東城に通学する1人の高校生の記事が載っていた。彼の「もともと少なかったが、コロナでもっと減った気がする。(路線が)なくなるのも仕方がないのかな」というコメントがすべてを表しているように思う。

部外者の私には何もいう資格はない。寂しいが仕方のないことだ。

八田 裕之 週末旅行家

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はった ひろゆき / Hiroyuki Hatta

1967年生まれ。武蔵工業大学(現:東京都市大学)工学部電子通信工学科卒。JR全線完乗した鉄道ファンにして、Jリーグをこよなく愛する。平日は会社員だが休日はJリーグ遠征で全国奔走の日々。フュージョンバンド「Quiet Village」のリーダーとしてギターと作曲を担当、オリジナルアルバム発表、鉄道コンピレーションアルバム参加など、音楽活動も行う。

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