JR九州新社長「観光列車戦略は見直しの時期に」 鉄道、不動産、ホテル…、今後の経営構想明かす
山手線や東海道新幹線といったドル箱路線がなく、鉄道路線は九州域内のみ。そんなJR九州は不動産やホテルなどの非鉄道事業に注力して業績を拡大、2016年に株式上場を遂げた。だが、その快進撃はコロナ禍で急ブレーキがかかった。経営の立て直しを迫られる状況で、4月に社長が交代した。新たな舵取りを担うのは古宮洋二氏である。
9月23日に西九州新幹線(武雄温泉─長崎間)が開業するが、同時に新たなD&S列車(観光列車)「ふたつ星4047」も西九州エリアで運行を開始する。社長就任から間もない4月6日、小倉総合車両センターでふたつ星の改造キックオフセレモニーが開催され、古宮社長が挨拶に立った。社長就任前も当地に何度も足を運び、社員の間に溶け込んできた古宮氏が、社長就任後にまず何を話すのか。差し迫った経営課題について語るのか。あるいは長期的な戦略か。セレモニーに参加していた社員たちは固唾を呑んで構えていたが、古宮社長の第一声は「ジョーク」。場が一気に和んだ。
決算発表後の5月11日、博多駅前の本社で古宮社長へのインタビューを行った。まず、聞きたかったのは、なぜ挨拶をジョークから始めたかだ。
社長就任後、何が変わった?
――出席していた社員のみなさんも驚いていたと思います。なぜ、ジョークから始めたのですか。
やっぱり、「掴み」は大切ですからね(笑)。
――掴みのネタはいくつも持っている?
いやいや。その場に応じて。
――社長就任後、いちばん変わったことは?
先日、門司港に行ったら「JR九州の社長さんですか」と声をかけられた。そういうことがいちばん変わったことかな。
――社員との接し方は?
そこは変わりない。まったく変わらないです。
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