JR九州新社長「観光列車戦略は見直しの時期に」 鉄道、不動産、ホテル…、今後の経営構想明かす

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──九州新幹線(博多─鹿児島中央間)に続き、9月23日に西九州新幹線(武雄温泉─長崎間)が開業します。

ふるみや・ようじ/1962年生まれ。九州大学工学部卒業後、国鉄に入る。1987年JR九州入社。運輸部長、総務部長、常務取締役鉄道事業本部長、専務執行役員総合企画本部長などを経て、2022年4月から現職(撮影:尾形文繁)

2004年に開業した九州新幹線は大きなインパクトがあった。それに比べると西九州新幹線は距離は長くないが、博多から長崎までの所要時間は約30分短縮する。新幹線開業は長崎県にとって悲願。佐賀県でも嬉野市ははじめて鉄道の駅、しかも新幹線の駅(嬉野温泉駅)ができるとことで、地元はものすごく盛り上がっている。日本全体でも新幹線の新規開業は久しぶり。大きな効果があると思っている。

──博多─長崎間を新幹線が直通するわけではなく、博多─武雄温泉間は在来線です。九州新幹線も最初は新八代─鹿児島中央間の開業でしたが、将来の全線開業は見えていました。

確かに九州新幹線は2004年時点で手前側(博多―新八代間)の工事は始まっていたので、「見えていた」といえる。今回は手前側(博多―武雄温泉間)が決まっていないので、その点では違う。しかし、九州新幹線も最初は新八代での在来線と新幹線との乗り換えが懸念材料だったが、開業してみると、博多駅のように階段を上り下りして乗り換えるわけではなく、同じホームでの対面乗り換えなので、お客様には「大したことない」と感じてもらえたと思う。今回の武雄温泉も同じ対面乗り換え。さほど抵抗はないのではないか。30分の短縮効果も、2時間が1時間半になるのだから非常に大きな効果があると思う。

同じ区間の往復ではない「ふたつ星」

──でも、博多─長崎間は新幹線が直通するほうがいい?

もちろん。そうなれば大阪にも直通できる。博多─武雄温泉間のあり方については国と佐賀県の間で話し合いが行われている。当社も求められれば意見を述べたい。

――地元の観光を盛り上げるため、九州新幹線のときは2004年に「はやとの風」が、2011年の全線開業時には「指宿のたまて箱」という観光列車が新幹線開業に合わせて運行開始しました。今回はふたつ星4047が長崎と武雄温泉を結びます。

いままでのD&S列車は行きと帰りが同じ、つまり同じルートを往復するのが普通だった。たとえば2004年の九州新幹線開業時では、行きは新幹線、帰りは肥薩線といった使い方をするお客様が多かった。しかし、今回の新幹線は有明海沿いを走る長崎本線と大村湾沿いを走る大村線の間を走る。有明海は干潟があるときとないときで彩を変え、大村湾は大きな湖のように穏やかで「琴の海」と呼ばれる。この2つのコントラストは使える。そこでルートを2つにして西九州エリアを1周できるようにした。

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