その腹痛は大腸がんかも、排便時の要注意サイン 食生活欧米化で大腸がん死亡者20年間に1.5倍
──症状がなくとも、いま受けておくべきでしょうか?
ご家族で大腸がんの方がいらっしゃる場合はもちろんですが、オーシャンズ世代で一度も受けたことがない方も、ぜひこの機に受けてほしい検査です。しかも内視鏡検査をすることは、大腸がんの発見と治療だけでなく、予防にもなるんですよ。
大腸がんは、予防ができる
──大腸がんになるかどうかも、事前にわかるんですか?
内視鏡検査で、大腸にできる“イボ”がないかを確認することでわかります。このイボは「大腸ポリープ」といって、腫瘍性のもの(がんが含まれているもの)とそうでないものに分けられます。
大腸がんの9割は腫瘍性のポリープが成長したものだとわかっているので、ポリープの段階で見つけて切除すれば、大腸がんの予防につながります。
──ポリープが大腸がんの引き金になるんですね。
ポリープが見つかった方では、切除したあとも再発の可能性があるので、1年に1度の内視鏡検査をお勧めしています。
逆に40代でポリープがなければ、その先4~5年は内視鏡検査の必要はないでしょう。ポリープががん化する速度や大腸がんの進行はゆるやかで、またほかのがんと比べても転移しにくいことがわかっています。そのため1度の内視鏡検査をするだけで、いまの大腸の状態と数年後のリスクも知ることができるんです。
──日々の生活でも、大腸がんを予防することはできますか?
大腸がん予防のためには、大腸をいかに健康に保つかということがとても重要になります。脂っこいものや肉食をほどほどにして、野菜や果物から食物繊維を多く摂取することが大切です。
また納豆やヨーグルトなどの発酵食品、バナナや玉ねぎに多く含まれるオリゴ糖を摂取して、腸内の善玉菌を増やすこともよいでしょう。腸内環境を整え、いかなる時も快便でいれるよう生活を整えることが、大腸がんの予防には大切です。
大腸がんは見つけさえできれば、完治できるケースが多く治療後の経過も良好だという。
人生に1度の内視鏡検査をするならば、それはいまだろう。
長瀬瑠美奈=取材・文
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