その腹痛は大腸がんかも、排便時の要注意サイン 食生活欧米化で大腸がん死亡者20年間に1.5倍
──便に表れるサインとは、どういったものでしょうか?
これまで快便だった方が、「急に便が細くなった」「残便感を感じる」「便秘と下痢を繰り返すようになった」など、年をとるにつれて排便が変わったように感じる場合は注意が必要です。
その際には、大腸がなにかしらの異変を起こしているサインと考えてよいでしょう。
──「血便」も大腸がんのサインなのでしょうか?
血便も大腸がんにおける1つのサインです。ただその場合は、便のふちに少し血が付いている程度の、自分では気付かないほどの微量な出血であることが多いんです。
実際に診察をしなければ確かなことは言えませんが、もしトイレの水が赤く染まるような出血量であれば、「痔」をはじめとした大腸がん以外の理由や病気も考えられます。
──うんち以外にも、体に起こる異変はありますか?
「普段と同じ生活をしているのに急に体重が落ちた」「立ちくらみがある」、また「周期的に起こる腹痛」も大腸がんの症状です。
ただし、がんは大腸の内側にある粘膜部分にできるため、まだ早期の小さなうちだと痛みを感じにくいんです。そのため痛みが出ているときには、がんがだいぶ大きくなり、かなり進行している可能性があります。
“とある検査”が、大腸がんの死亡率を7割減らす
──大腸がんを見つけるためには、どんな検査があるのでしょうか?
検査には大きく2種類あり、1つは「便潜血検査」です。これは目には見えないような極微量な血液を発見できる、大腸がんの可能性を知るうえでとても簡単な検査です。
その反面で精度が低く、大腸がんの4割ほどを見逃してしまうといわれています。
──見逃しがあるのは怖いです……。もっと正確な検査もありますか?
もっともお勧めしたいのは2つ目の「大腸内視鏡検査」です。大腸の内部を直に見て、大腸内での異変を確認することができます。一生に1度受けるだけで、大腸がんで死亡する確率を7割も減らせるといわれています。
──7割も!とはいえ、内視鏡検査は、苦しくてツライという印象です……。
いまは内視鏡検査の技術も進歩しています。方法次第では痛みや不快感も、ほぼ感じることなく受けられるようにもなりました。早期の大腸がんではほとんどの方に自覚症状はないため、内視鏡検査をしないと見つけることができません。手遅れになる前に発見することが重要です。