自信満々な人ほど、実は信頼されない深い理由 頭のいい人が人間関係で失敗する落とし穴

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「話の中身」より決定的に重要なこと

「自信のなさを表に出すと自分が不利になる」と考える人は、本人の無知や経験不足から生じる「個人的な知識の不確かさ」と、現実が複雑で予測不可能であることから生じる「現実世界の不確かさ」という、まったく異なる2種類の不確実性を混同している。

前者は当然ながら、その人の専門性の低さを示すものとみなされることが多いが、後者はそうではない。とくに、これから説明する「不確かなことを伝えるための3つのルール」を守っていれば、むしろ「信頼できる人だ」と相手に思ってもらえるのだ。

ルール1 「確実なことが言えない理由」を伝える

現実的にどれくらいの不確実性があるかを理解していない聞き手に確実さを保証するのが非現実的であることを示すことで、あらゆることは100%確実だと言い張る人よりも話に説得力が生まれる。

ルール2 根拠となる数字を示す

「当社と似た企業120社を対象とした調査では、23%が同様の経験をしています」などと情報にもとづいた見積もりを出し、その数字を導いた方法を詳しく説明する。

ルール3 手厚くフォローする

どう行動していいかわからないときは、フォローアップをすることで、相手を安心させることができる。

姿勢や口調などの表面的なことで、他人からの評価が変わるのかとがっかりする人もいるだろう。これは逆に「有能さをアピールするのに、自分の中身を大きく見せる必要はない」とポジティブにとらえることもできる。

「対人関係に対する自信」は、人前で堂々とスピーチをする練習をしたり、服装や身だしなみを整えたり、姿勢をよくしたりすることで高められる。しかも、自分の能力を犠牲にしなくてもいいのだ。

ジュリア・ガレフ 作家、ポッドキャスター

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Julia Galef

「応用合理性研究センター」共同設立者。10年にわたってポッドキャストの番組「Rationally Speaking(合理的な話し方)」のホストを務め、高名な科学者、ジャーナリスト、さまざまなジャンルの識者・思想家へのインタビューを行なってきた。『マッピング思考』(東洋経済新報社)はその集大成として、人間の心が持つ合理性と非合理性、客観的思考を俯瞰した作品。全世界で翻訳出版され、たちまちベストセラーとなっている。

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