脳の名医も実践「自己肯定感を高める散歩」の効用 しっかり歩くことで体の調子も気分も変わる

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すべてが解釈次第ということは、自分の欠点や弱点に関しても、解釈次第で長所に変換できるということです。失敗ばかりであれば、成功のための貴重な体験をしたと考えるのです。口下手で会話が苦手だという人は、逆にその訥弁によって相手に信頼されるかもしれません。

脳科学的に見ると、物事を悪い方面ばかりから見るくせがついている人は、脳の働きがそれに限定されている状態だと言えるでしょう。

「ほめ言葉ノート」「感謝ノート」

とくに気分がマイナスに向きがちな人は、1日の終わりに「ほめ言葉ノート」や「感謝ノート」をつけることをお勧めします。まずは就寝前にその日、何かに対して感謝したことを思い出して、ノートに書き記しましょう。

「朝、通勤途中で落とした切符を拾ってくれた人がいた。感謝」「昼に職場で先輩から、来週のプレゼンの貴重なアドバイスをいただいた。感謝」「今日、友人からゴルフの誘いがあった。感謝」「夕日がとても美しかった。感謝」

誰かに何かをしてもらったことや、思いがけず感激したことに対して、感謝の言葉を書き留めるのです。特段、大きなできごとではなくてもいいのです。むしろ日常のちょっとした、ありがたい気持ちを言葉にすることに意味があります。

心のちょっとした心象風景として、いずれ流されて記憶から消えてしまいそうなことも、こうして書き留めることで「感謝の蓄積」となります。後で振り返ると、実は多くのありがたいことに囲まれていることに気がづくでしょう。

また、自分に自信がないという人は、1日の最後に自分をほめる言葉を書き出してみましょう。

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「今日はいつもより30分早く起きて活動を始めた。よくやった!」「今日は仕事で新規の顧客開拓にはげんだ。よくやった!」「今日は、誘惑に打ち勝って夜寝る前に間食しなかった。よくやった!」

自分で自分をほめるのは、最初は照れ臭かったり、ばからしく感じたりするかもしれません。ですが、しばらくこれを続けると、自然に自分をほめるくせがつきます。

マイナス思考だった人は、気がつくとプラス思考に変わっている自分に驚くかもしれません。これも後で振り返ると、結構自分はよくやっているなと思えるようになります。

自分で自分をほめるのは、行き過ぎると自信過剰になりますが、自分に対してマイナスの評価をしがちな人は、あえてこのやり方でプラス評価のくせをつける必要があると思います。ささやかな感謝と幸せの言葉、自分をほめる言葉が、あなた自身を変えていくのです。

加藤 俊徳 医学博士/「脳の学校」代表

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かとう としのり / Toshinori Katou

脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。脳科学・MRI 脳画像診断の専門家。1991年に、現在、世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測fNIRS(エフニルス)法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科で脳画像研究に従事。ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。加藤式MRI 脳画像診断法を用いて、小児から超高齢者まで1万人以上を診断・治療。得意な脳番地・不得意な脳番地を診断し、脳の使い方の処方を行う。著書に、『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』(ダイヤモンド社)、『一生頭がよくなり続けるもっとすごい脳の使い方』(サンマーク出版)、『1日1文読むだけで記憶力が上がる!おとなの音読』(きずな出版)など多数。

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