脳の名医も実践「自己肯定感を高める散歩」の効用 しっかり歩くことで体の調子も気分も変わる
これまでの経験から、1日5km以上歩いた日が続くと、体の調子がよくなり、3~4kmだと調子は横ばい、3km以下しか歩かない日が多いと体調が悪くなることに気づきました。散歩しないと発想も浮かばず、集中力も落ちます。その日の寝つきも悪く、次の日の調子にも影響します。なので、できる限り毎日5km以上歩くことを習慣化しているのです。
運動は、自己肯定感に大きな影響を与えます。というのも、体を思い通りに動かすということが、人間も含めた動物にとって一番の自己肯定感となるからです。
草食動物であれ肉食動物であれ、個体を維持するにはエサを食べなければなりません。それには自分の思い通りに俊敏に動く肉体と、その運動が不可欠です。動物にとって、まさに生存と直接結びついているのが運動であり、運動能力なのです。自分の意志通りに体が動くことに関して、本来動物はもっとも喜びを覚えるのです。
私がクリニックで診ている人たちも、自己肯定感が低く自信がない人は、運動が苦手な人が多いです。そういう人に勧めるのは、いきなり激しいスポーツやランニングではなく、「朝の散歩」です。歩くことはすべての運動の基本です。しっかり歩くだけでも、体の調子も気分も格段に変わってくるのです。
散歩する効用は、歩くという運動だけではありません。歩きながら周りの情景や自然に触れることで、さまざまな刺激と情報を得ることができるのです。
私の場合、散歩をしながら自然観察をするのが好きです。
花が咲けばどんな花なのか思わず目がいってしまいます。自然を眺めるだけで、広い視野で眼球が動きます。テレビやゲームなどではとても狭い視野の眼球運動しか行われませんが、外で自然観察する場合は、その角度がいっぱいに広がります。
また、木立のざわめきや、その枝に羽を休ませている鳥のさえずりを聞きながら、どこにいるのか探します。目や耳をいっぱいに使い、季節感や気持ちよさを感じ取るのです。散歩によって、私たちは多くの感覚を活性化させることができます。その結果、脳も活性化し、自己肯定感も高まるというわけです。
「解釈」の仕方を変えればいい
私は「物事は考え方一つ」というように考えています。たとえば、ある人物が自分に対して皮肉を言ったように感じたとしましょう。「彼(彼女)は自分に対して皮肉を言った!」と考えれば、それは怒りという感情になります。
しかし、相手が一見皮肉のように言ったのは、実は私を鼓舞させようとして、よかれと思って言ったのかもしれません。あるいは相手はそうでなくても、その言葉が結果として気づきのチャンスを与えてくれることもあります。いずれにしても、考え方をこのように変えることで怒りもわかず、むしろありがたいと感謝の気持ちさえ起こってきます。
どんなことでも考え方一つを変えることで、見え方が変わってきます。どうせどちらも解釈に過ぎないなら、よいように解釈したほうがいい。相手の発言は変えられませんが、解釈の仕方はそれこそ自由です。
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