健康書100冊読んでわかった「食事術」の最適解 プロ編集者チームが語る「糖質制限+αの真実」

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まっとうな専門家の意見はもちろん価値のあるものですが、ひとりの専門家の意見だけを盲信するのは危険です。1500冊以上の健康書づくりに関わってきた編集者チームのメンバーの1人として、最近とくに感じている重要なことは、1冊の健康書を安易に信じ込んではいけない、多くの意見に耳を傾けたほうがよい、ということです。

「糖質」は、本当に健康の“敵”?

最近の健康情報では、「糖質」は悪者にされがちです。健康書100冊を精査してわかったことは、たしかに糖質過多の食生活をおくっている人にとっては、さまざまな病気リスクが上がるため、糖質を摂りすぎないようにすることは大事だということ。

ただ、だからといって、お米好きで「ご飯」を食べるのが人生の楽しみだという人が、糖質制限にこだわってご飯を減らす食生活をすることが最適解かというと、そうとはいえないでしょう。ご飯好きな人の暮らしに役立つ食生活の工夫もさまざまあります。糖質を摂ることの重要性を語る専門家も数多くいます。

糖質の摂取については、今のところ万人に共通する唯一の正しい食事法があるわけではなく、「糖質は“敵”にも“味方”にもなる」と考えておくほうが現実的です。

「糖質制限」について、ベストセラー健康書100冊を精査してわかったこと
①糖質は、人間にとって大事な栄養素のひとつ。炭水化物の「ご飯」を、ガマンしてまで無理に減らす必要はない。
②「ご飯」は、麦や玄米、胚芽米など食物繊維の多い穀物を選んで食べるのもおすすめ。
③どんな食べ物から食物繊維を摂るかで健康効果が異なる場合があり、穀物からも野菜からも海藻からも、さまざまな食べ物から食物繊維を摂ることが望ましい。
④ただし、糖質を明らかに摂りすぎの人は控えること。とくに、砂糖がたくさん入っているスイーツや、異性化糖の入っている甘い清涼飲料水の摂りすぎには十分に注意する。
次ページアブラは健康の“敵”?それとも“味方”?
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