「16時間断食は週1回でも効果がある」3つの理由 体内で脂肪の分解が始まるのは「食後10時間」

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食べものによって得られた糖質や脂質は、脳や筋肉、内臓などが働く際のエネルギー源や、細胞の材料として、体内で使われます。そこで使い切れずに余った分は、筋肉や肝臓に蓄えられます。

ところが、筋肉や肝臓の貯蔵スペースには限りがあります。筋肉や肝臓に入りきらなかったエネルギーは中性脂肪に変わり、脂肪細胞に蓄えられます。脂肪細胞は柔軟性が高く、中性脂肪を取り込んで、もとの数倍の大きさにまで膨れ上がることができます。これが「脂肪がつく」「脂肪が増える」といわれる状態です。ちなみに、このように無限に容量を増やすことができるのは、人体の中では脂肪細胞だけです。

長時間ものを食べずにいると、外部から糖質を補給することができなくなります。すると、体はまず肝臓に蓄えられたグリコーゲンを利用して、エネルギーを作ります。肝臓に蓄えられたグリコーゲンもなくなると、次に、脂肪を分解してエネルギー源に変えようとします。

朝ごはんを6時に食べ、昼ごはんを12時に食べ、夜ごはんを21時に食べるという人は、食事の間隔が短すぎて脂肪が分解される暇がありません。同じものを食べても「食べるタイミング」を意識して、食事の時間を10時間以上あけるだけで、脂肪が燃焼し始めるのです。

食後12時間で「ケトン体」代謝にスイッチ

最後にものを食べてから12時間ほどたつと、血液中の糖や肝臓に蓄えられた糖が完全に消費され、代わりに「ケトン体」がエネルギー源として使われるようになります。「ケトン体」とは、脂肪を分解したときに発生する物質です。

空腹の時間をつくらず、1日3食、つねに食べている状態では、全身の細胞は「ブドウ糖代謝」をしています。ところが、空腹になるとブドウ糖の供給が減少し、それにともなって「ケトン体代謝」に変化します。この変化を「メタボリックスイッチ」といいます。

細胞がケトン体代謝になると、

・抗酸化作用が発揮される(活性酸素が減る)
・傷ついたDNAが修復される

といった体にすばらしい変化が起こります。抗酸化作用、DNAの修復……美容やアンチエイジグに関心のある人にはおなじみですね。これによって、きれいになりながらやせることができるのです。

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