「そんな働き方が当たり前であるような社会を未来に残したくない」。それが、「働き方を変えなければならない」という思いに変わり、シナモンの人工知能事業へとつながっています。
誰のために偉大なことをするか
ジェイミーさんの信念は、肌に悩みを持つ人だけでなく、すべての女性に「美しい」と感じてほしいということです。彼女は「偉大な人になる」とも考えているわけですが、それを、誰のために行うのかも大事なところだと思います。
私自身は、「偉大な人になる」というよりは、「偉大なことをする」という感覚があります。社会全体に対する使命感を感じていて、シナモンの事業を通して、200年、300年といった何世代も先の子どもたちのために何ができるかと考えているのです。
他者から「そんなことできるわけない」と言われることがあっても、「あなたはそう感じるかもしれないけど、私は違う」と考えるようにもしていますし、もし、自分が生きているうちに偉大なことを成せなかったとしても、それで良いのだと思えるようにもなりました。
昨年10月から、政府の「新しい資本主義実現会議」に有識者として出席してきたのですが、第9回の会議で実行計画が発表され、総理や各大臣がいらっしゃる前で、私は「300年後の子孫が見たときに、これを素晴らしいと思うかどうかはわかりませんが、良いと言ってもらえるかもしれないですね」と発言させていただきました。
政治家、官僚、委員の皆様など関係者の方々が時間と情熱を注いだ尊い成果でしたが、だからこそ、歴史と未来の世代に評価をゆだね、それに耐える内容であってほしいと願って300年後を想い、発言した言葉でした。
何かを感じてくれる方が1人でも増えたのなら、そのほうが世の中に対しては良いことをしたのではないかと思えるようになったのです。
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