日本と韓国「人付き合いのマナー」驚きの決定的差 「親しき仲に礼儀なし!」が韓国人の本音?

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さらに、韓国語文化のなかでの人間関係の近さを理解するうえで欠かせないのが、時空を超えた「ウリ意識」である。

ハングルでは、英語の「My」にあたるものも「Our」にあたるものも「ウリ」と表現し、これは翻訳がしづらい独特の単語なのだが、なんでもかんでも「私たちの」と表現する文化があるため、よくも悪くも集団的な幻想を抱きやすい

たとえば、「ウリナラ(私たちの国)」「ウリヨクサ(私たちの歴史)」「ウリハルモニ(私たちのおばあさん)」という「ウリ意識」が強い

そして、それが昔の出来事を「過去の世代の出来事」として切り離すのではなく、現在との連続性を強く意識して捉える傾向にもつながっていると考えられる。

「誰が言ったのか」が大きな影響を及ぼす韓国

思えば、日本も「アイデンティティに占める、日本人としての集団的アイデンティティの要素」が強いが、韓国も「過去まで遡って集団意識を持つ」という意味では「集団的アイデンティティ」が非常に強い

韓国は「身内意識」が強く、「ネロナンブル」問題(自分がやればロマンス、他人がやれば不倫の頭文字をとった略語)に象徴されるように、反対者は徹底的に糾弾し、身内は徹底的に擁護するダブルスタンダードをとる傾向が強い(ちなみに韓国人のせっかちさは、この手の「略語」が非常に多いことにも表れている)。

そして、韓国ではとくに「何を言っているか」より「誰が言ったのか」が、人々が賛同するか否かに関してとくに大きな影響力を及ぼすこととなる。

同じような政策でも支持政党がいえば大賛成、対抗政党がいえば意地でも潰すというのは、韓国政治のお決まりのシーンだ。

このように韓国は、言語に表れる人間関係の近さと、「ウリ意識」に代表される内集団バイアスの強さが特徴的な国なのである。

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