速報!大塚家具、父・勝久会長が「退任」へ 娘・久美子社長との"肉親同士の争い"に決着

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従来の会員制から、誰でも入りやすいオープン型へと、店舗を改革する(撮影:今井康一)

――再び社長に就任し、どういった改革を進めるのか?

店舗オペレーションは4月以降、オープン型に戻していきたい。3月までは繁忙期で間に合わない。マス広告については、これまでがミスマッチだった。富裕層にはいい広告でも、マスには効かないものもある。セグメントごとにどうアプローチしていくか検討している。

今後はサービスそのものをビジネスにしていきたい。インテリアコーディネーターなど、当社は優秀な有資格者を多く抱えている。購入後の家具のコーディネートや配置換え、また廃棄する場合に家具を引き取るリユース販売なども、広げていきたい。リユース販売では予算の制約のある人でも、ニトリやIKEAと比べ、品質と価格面で、かなりお得なものになるだろう。さらに法人向け需要も力を入れていく。中小企業など開拓余地は大きい。御用聞きなどをすることで、平日営業を増やせば、週末に偏っていた売上高を平準化することにもつながる。

――勝久氏の「ワンマン体制」とされた、コーポレートガバナンスも改善していくのか?

カルチャー、企業風土を変えたい。今まではトップダウンで、指示された通りに動くのが基本だった。右肩上がりの時代にはそれが早く動けるし、効率がよかったかもしれないが、これからは違う。社員のマインドを少しずつでも変えていく。

取締役会では多様な意見を取り入れることも重要だ。それには現状、社内だけでは難しく、社外を生かしていきたい。私の(最初の)社長時代、社外取締役を1人から3人に増やした経緯もある。今月には発表したい。

このまま去るのはもったいない

――大株主とはどう接していくのか。

勝久氏が2割株式を保有する大株主である事実は変えられない。(株式を10%超まで買い増している)米ブランデス・インベストメント・パートナーズは、当社のIRでこれまでもずっとコンタクトしている。現在の問題がコーポレートガバナンスであることは確かだ。

――他の選択肢もあったと思うが、なぜまた戻ることにしたのか?

やっぱりこのまま去るのはもったいないと思った。家具の魅力や可能性はまだ大きい。このまま放置してしまうと、日本のスタンダードがニトリやIKEAになってしまい、すごく後悔する。やってまだ可能性があるなら、それをやれる立場の人が動くことが重要、と考えた。

一回戻すことができれば、後に成長させられる人は、私以外にもたくさんいる。今は3~5年の中期経営計画を考えており、その中で今後の方針を発表したい。

冨岡 耕 東洋経済 記者

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とみおか こう / Ko Tomioka

重電・電機業界担当。早稲田大学理工学部卒。全国紙の新聞記者を経て東洋経済新報社入社。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部などにも所属し、現在は編集局報道部。直近はトヨタを中心に自動車業界を担当していた。

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