速報!大塚家具、父・勝久会長が「退任」へ

娘・久美子社長との"肉親同士の争い"に決着

解任された自分の後を継いだ勝久氏の半年間を、「結果が出た」と断定した娘・久美子氏

――店舗オペレーションもこの半年間で、従来型の会員制によって敷居の高い店に戻ってしまった。

私は5年かけて、店舗受付のオープン化など、間口を広げる努力をしてきた。むろん高付加価値商品が多いため、商品を説明できる人員体制を整えると同時に、誰でも見たい人が入りやすくという両面で見直してきた。

だが、(勝久氏が会長兼社長になってからは)複数店舗で工事して、また受付をしないと入れないお店に戻してしまった。有明本社ショールームなど郊外立地で目的買いの人が多い店舗は、それでもいいかもしれないが、新宿ショールームなど繁華街でそれをやると、弊害は大きい。

2014年10月に従来型店舗に変えた新宿ショールームでは、11月にサーモセンサーで人数カウントした結果、2013年に月間3万8000人だった来店客数が、14年には3万人へと2割以上も減った。売上高もその分減った、ということではないが、見に来る人が減ると、悪循環になる。何回か見るという購買ステップを踏まなくなり、結局は入りやすい競合他社に行ってしまう。

家具も今は、昔のような目的買いではなく、洋服と同じように、ふらっと来ていいものがあれば買う、という買い方が増えている。気軽に見ることのできる店舗づくりが重要だ。新宿ショールームでは、1階の売り場を小さくしてまで、受付事務所を戻した。まさに旧来型の会員制への回帰そのもの。だが、それは大前提として、家具を買いたい目的の人のみが来ると思っているためであり、前提をどう考えるかで、アプローチの仕方は違ってくる。

 日本は住環境の満足度が低い

――ニトリや北欧のIKEAは低価格の家具で人気になっているが。

当社の扱っている家具は付加価値の高いモノであり、購買へのハードルがある程度高いことは確かだ。だがアピールの仕方が足りなかったのもある。当社はいいのものを安く販売しており、コストパフォーマンスで右に出るものはいない。

実は衣食住をみると、住エリアだけは、質的な満足度が日本ではものすごく低い。衣と食は成熟化しており、誰しも経験を積んで、自分が何を好きかもよくわかっている。だが、住エリアはそこまで達しておらず、「ファストファニチャー」が席巻している。本当はみんなちょっといいものを提供してくれるお店を求めているはずだ。特に家具は一回買うと、何回も買わない。仮にニトリやIKEAが日本のスタンダードになると、衣や食のレベルとの差が大きくなってしまう。それは誰も望んでいない。

大塚家具は高級家具だけ、と思われがちだが、本当は幅広く扱っている。衣、食と同じレベルを求めたとき、それを提供できる唯一の会社だ。今まで知られていないのは、気軽に入れないお店だから。広告だけしか接していない人は勘違いしてしまう。そのため、目黒通りにカジュアルな家具の店を出し、青山ではモダンな小型店を開いて、実は大塚家具はこんなものを扱っている、と認知度を上げてきた(注:これらの店舗は解任以降に閉鎖された)。

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