「統一教会」が米国に寿司を広めた知られざる経緯 日本人信者たちがいかに寿司企業を拡大したか
日本の子会社は2021年、アメリカに100万キロ以上の鮮魚を輸出する勢いである。多くのアメリカの都市で、中・高級の寿司屋向け販売の7〜8割を同社が占めており、同グループの年間売上高は通常5億ドルを超えるとブルーは語る。
もちろん、今回のコロナ禍は通常とは違う。「うまくやれば、寿司は持ち帰りに最適な食品なので、大きな成功になるだろう」。ブルーは先ごろ「史上最高の売り上げを現に記録している」と筆者に語った。
文の娘の1人、文仁進はかつて説教中に、自分たちの運動が本当に世の中を変えたかどうかと問われて、「信じられないようなやり方で変えた」と答えている。彼女の父はトゥルー・ワールド・フーズを設立したが、「父がこのプロジェクトを始めたとき、誰も寿司が何か、生の魚を食べるとはどういうことなのか、知らなかった」と語る。
仁進によれば、彼女の父が「世界に寿司への愛を広めた」。あるいは、別の場面での彼女の言葉を借りれば、「父の仕事は、すでに人々の体内に取り込まれている」。
誰もが知るように、信仰は複雑なものである。信仰により戦争や芸術運動が始まり、私たちの大半の公的な行動や私的な思考までが影響される。信仰は世界を変えると謳う企業の中にも根を張って、日本の珍味をアメリカのネブラスカ州へ運んだり、あなたが昨日食べた寿司にも関わったりしている。
統一教会を際立たせたのは日本での驚異的な成功
1920年、平壌のプロテスタント復興の余波の中で生まれた文鮮明は、15歳のイースターの日曜日にキリストが現れて、これからしなければならない務めについて話したとしている。迫害と生存の物語を織り交ぜた話(特に共産主義者によって労働キャンプに投獄された話は有名である)は、主にアジア、アメリカ、ヨーロッパで何万人もの信者を集めるのに役立った。
キリスト教に仏教、儒教、シャーマニズム、性魔術などの要素を融合させた文の信仰は、ほかの韓国の新興宗教とさほど変わりがなかった。だが、最終的に統一教会を際立たせたのは、日本での驚異的な成功だった。