――相手に問題があるのではなく、自分の問題にしてしまっていたと。
一番大きいのは、あの頃はとにかく自分のせいだ、仕事ができないからこういうことになるんだ、という負い目でいっぱいいっぱいだったということ。自分さえしっかりすれば言われなくなるんだって、自分を追い込んでいました。
――実際だんだんと仕事を覚えていったと思うんですが、その結果どうでした?
むしろパワハラはひどくなっていきました。とにかくあらゆる理不尽な言動をされたし、他の社員がいるところで見せしめのように怒鳴られたり、無意味に時間を拘束されたり。単なる暴言も日常茶飯事でした。
よく覚えているのが、私がいじったせいで大事なExcelファイルが消えたと言って、社内に響き渡る大声で長々と罵倒されたことです。心当たりがなかったんですが、反射的に「すみません」と謝りました。でもずっとヒートアップし続けて。で、結局、見るべきフォルダを彼女が間違えていただけで、件のExcelファイルはあるべき場所にあったんです。周りの人に笑いながら「やだー恥ずかしい!」と言っていましたが、当然のように私への謝罪は一切ありませんでした。
――それはひどいですね……。
一番常軌を逸していたのは、「あなたが入社したせいで空気が悪くなってオフィスの観葉植物が枯れた」と怒られたことです。"私が枯らした"ので、枯れた部分を切っておくように指示されたんですが、なぜかずっと横にいて語りかけてくるんです。
「自分のお給料を時給に換算したことある? 安くはない金額だよね? なのに観葉植物の葉っぱ切ってるだけで、会社のお金をドブに捨ててると思わない?」
どう返していいかわからなかったので、「枯らさないように気をつけます」って返しました。「お金をドブに捨てる」という表現にハマったらしく、その後も似たような嫌がらせをしてくる時には、ものを投げ捨てるジェスチャー付きで「ゆりなさん、また『ぽーい』だね?」と言ってくるようになりました。
限界を迎え、明らかになった恐ろしい背景
――どのような経緯で職場を離れたんでしょうか。
ある日いつもと同じように、意味のわからないことで衆目が集まる中、詰められていると、鼻水が垂れてきた……と思って拭いたら鼻血だった、という出来事があったんです。「あっ、これはやばい」と思ってお説教を中断してもらってトイレに駆け込んだら、今度は涙が止まらなくなってしまって。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら