旅をしながらお金を稼ぐ「おてつたび」が人気な訳 「旅行では経験できないおもしろさ」と参加者
全国の農家や漁業者など一次産業の従事者や、旅館やホテルなどのサービス業者に、おてつたびマッチングサイトに利用登録してもらい、人手が必要になったらサイト内で募集をかける。おてつだい募集日数は日帰りから1カ月程度まで設定でき、参加者の宿泊場所や報酬は、手伝いの募集者側が負担する。
一方、参加者はおてつたびマッチングサイトで募集される手伝い情報から、自分が行きたい場所や手伝い内容などを見て、応募する。
旅先では、募集者の指導のもと手伝いをする。みかん農家でみかんの選果作業をしたり、旅館でフロント業務や客室清掃、料理配膳をしたり。漁師と共に漁船に乗って魚の選別作業をすることもある。
長期的な手伝いでは、休息日もある。休息日を利用して周辺を観光したり、地域の人と交流したりする参加者も。手伝い期間が終われば、そこから再び旅に出る人も少なくない。そこでさらに地域の良さを知るという。
参加者は、InstagramやTwitterなどで旅の様子を積極的に発信し、地域の良さを伝える。こうした情報を見た人や口コミで、次第に参加者は増えていった。
仕組み化に難しさも、コロナ禍が追い風に
永岡さんは、「産業界はもちろんのこと、国内旅行の仕組みにも課題がある」と語る。
「若い方を中心に、資金がないから旅を断念するという話を聞きます。それならばもっと気軽に旅に出れるようにと、“旅をしながらお金を稼げる仕組み”を作ろうと思い至ったんです」
おてつたび事業を立ち上げると決めた永岡さんは、勤めていた企業を退職し、1人で活動開始。当時住んでいた東京都内の家も解約して、半年間はノマドワーカーのように過ごす。全国のさまざまな地域を巡り、事業の構想を多くの人に話した。
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