旅をしながらお金を稼ぐ「おてつたび」が人気な訳 「旅行では経験できないおもしろさ」と参加者

拡大
縮小
旅とお手伝いを合体させたマッチングサイト「おてつたび」を運営する株式会社おてつたび代表取締役CEOの永岡里菜さん(写真:筆者撮影)

コロナ禍の行動規制がゆるやかになり、旅行の機会が高まっている。そんな旅の新たな形として注目されているのが「おてつたび」だ。

旅行者は、旅先で助けを求める農家や漁業者、観光事業者などを手伝いながら、日本各地を回る。しかも手伝いをすることで、報酬を受け取れるというのだ。

“自分で旅先を選ぶ”のではなく、“助けて欲しい人がいる土地を訪ね、お手伝いをする”という斬新さに、おてつたびの参加者(おてつびと)からは「日本の知らない土地を知ることができて楽しい」「第二の故郷ができた」との声が寄せられている。2018年7月にサービスを設立後、徐々にユーザー数は増え、現在は2万人。旅と手伝いを楽しんでいる。

この記事の画像を見る(9枚)

日本には見て欲しい景色、面白い場所がある

このおてつたび事業を立ち上げたのは、株式会社おてつたび代表取締役CEOの永岡里菜さん(31)だ。三重県の南東部にある、人口1万6000人ほどの尾鷲市(おわせし)で生まれた。

「私の生まれた故郷はたいした特徴のない町ですが、目を向ければ“ここ素敵だな”と思うところが沢山あるんです。大学入学と共に上京して、改めて地域の良さを確認できたところもありますね。こうした自分の愛する地域を多くの人に“もっと知って欲しい”と思っていました」

自然豊かな環境で育った永岡さんの幼少時代(写真提供:永岡さん)

都市集中型の暮らしが進むなか、故郷である尾鷲市をはじめ地方地域では人口減少や産業衰退の課題が深刻化している。特に一次産業を営む事業者は、跡を継ぐ人や事業を手伝う人が途絶え、廃業するケースもある。

こうした“地域での人不足×地域の魅力を知って欲しい”を掛け合わせたのが、おてつたびだ。

次ページサイトで事業者と参加者がつながる
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT