マクドナルドの「謝罪」は、何を間違えたのか

お粗末な対応で残ったのは不信感だけ

(撮影:今井 康一)

当時の雪印グループは、石川社長の失言で、ブランド力が失墜。その後、牛肉偽装事件を引き起こした雪印食品が解散するなど、グループ解体を余儀なくされたほどの打撃を受けるに至った。

後味の悪い鶏肉問題の後、追い打ちをかけるように起きたのが、今年(2015年)に入って、次々とあらわになった異物混入トラブルだ。チキンマックナゲットにビニール片、ホットケーキに金属、サンデーチョコレートにはプラスチック片が混入し、けが人も出てしまった。続出する前代未聞のトラブルが毎日のように報道された。

「責任を押し付け、トップが逃げた」

1月7日、とうとう日本マクドナルドは謝罪会見を開くことになるのだが、ここで犯した決定的なミスは「出張中」との理由で、カサノバ社長が姿を現さなかったことだ。

マスコミ関係者にも消費者にも「責任を部下に押し付けて、トップが逃げた」という印象を強く残すこととなった。謝罪会見は、企業のトップが臨まねばならないというのは、広報戦略の基本中の基本である。

さらに最悪だったのは、会見に臨んだ取締役上席執行役員、青木岳彦氏と菱沼秀仁両氏をはじめ、会見に臨んだスタッフの腰の引けた対応である。

菱沼氏が女性記者の追及にしどろもどろになり、救いの手を求めるかのように青木氏や他のスタッフに視線を投げかける場面があったが、全員が目を合わさないようにと下を向いたり、宙を仰いだりしていた。多数のスタッフが、のこのことカメラの前に出てきて、仲間を切り捨てる様が、映像や写真で全国に流布されたわけだ。

「マクドナルドの経営陣は、一枚岩ではありません。皆、保身で精いっぱいです」という無様な姿を露呈していた。青木氏に至っては、一連の広報対応を問われた際に、「適切な対応だった」と開き直る始末で、「トップが逃亡し、部下が開き直っている」ようにしか見えなかった会見は、今後、お粗末な謝罪会見の代表例として紹介され続けることだろう。

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