マクドナルドの「謝罪」は、何を間違えたのか

お粗末な対応で残ったのは不信感だけ

企業が不祥事を起こした後に開く「謝罪会見」で企業トップや幹部は、消費者に対して「申し訳ございません。私どもが悪うございました」と謝り続けねばならない。平常時の自信に満ち溢れたプライドは不要だ。会社存続のため、ひたすらこうべを垂れ続ける忍耐力が求められるのである。

2011年5月に起きた「ユッケ」による集団食中毒事件を引き起こした外食チェーン「フーズ・フォーラス」社長=当時=は、報道陣の追及に、社長が逆切れした様子で応じたが、結局は同社の破たんを招いただけであった。

また、謝罪会見場に臨むマスコミは、企業が平常時につきあっている経済部記者より、社会部記者が主導権を握るということを強く意識したほうがいいだろう。

「社会部メンタリティー」を理解せよ

不祥事や事件に日々直面する社会部記者は、謝罪会見で不祥事を起こした企業の正当性を聞こうなどという気はない、と考えたほうがいい。彼らは、ひれ伏す企業のトップを国民に紹介することを頭に描きながら会見場にやってくる。マクドナルドは、そういった不祥事におけるマスコミの「社会部メンタリティー」を全く理解できていなかったといえる。

企業の広報におけるリスクヘッジは、できているようでいて、できていない。筆者が提案したい謝罪会見のポイントは、まずはトップが即座に対応すること。そして、平素から付き合いのある経済部記者を通じての社会部記者とのパイプ作りである。

記事に手心を加えてもらうという戦略ではない。不祥事という雪崩のような動きが発生した場合、一記者の意向で紙面をコントロールすることなど不可能だ。ただ、会社のイメージダウンなど、不祥事による傷口を最小限にとどめるため、マスコミ側の雰囲気や空気感などを情報収集するほか、会見で留意するポイントをアドバイスしてもらうのは、非常に有効だろう。

世論やマスコミの感情は生き物である。刻一刻と変化するし、ケースバイケースでの対応も迫られる。社会部記者からは、弁護士やPR会社にはできない臨機応変かつ実践的なアドバイスがもらえることだろう。1人の経済部記者の後ろには、同期や先輩後輩といった社会部記者が必ずいるものだ。

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