キャリアの「長期目標」を立てる意味はあるのか 変化に応じて生きるサバイバル能力が大切だ

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冒頭にて長期的なゴールを持つことは、メリットもデメリットもある、と申し上げましたが、まず長期的な目標を持つことのメリットはご想像の通り、軸がブレずれに今やることが明確になる、とか、時間の有効活用だとか、ゴールまでの道のりが見えるが故にモチベーション維持につながる、とかいろいろとあるわけです。

ただその一方で、現在のように職業人としての私たちを取り巻く環境や前提、価値観そのものが大きく変化することが常態化しているような場合は、硬直的な長期目標を持つことが、デメリットになるケースは非常に多いです。

つまり、硬直的なゴールを持つことで、環境などの変化に対する柔軟性を失ってしまい、職業人としての価値も失ってしまう、ということにつながる可能性も大いにある、ということです。

例えば「●●という大企業で30代で部長、40代で取締役になる」など、それなりに具体的なゴールを持った場合に、●●という会社が途中でなくなってしまったり、経営が大きく傾いた際に「どうするんだ?」という話だったりするわけです。

現時点においては、すでに皆と同じことをしていればなんとなく階段を上がっていくことができ、それなりの生活が保障されているような時代ではないのは誰もがご存じの通りです。

不確実性への対応が大切になってくる

結局のところ、現在に生きる令和の職業人として大切なことは、不確実性への対応であり、そのための柔軟性やスピード感、情報への感度や判断力、決断力を持っているか否かが勝負の分かれ道なのです。

言い換えるならば、現時点において大事なのは、皆と同じことをしたり過去を踏襲するコピー能力ではなく、変化に応じて生き残れるようなサバイバル能力なのです。

したがって、長期的なゴールといっても硬直的で修正の利かない「明確なゴール」を持つことはお勧めできません。

持つとしても、漠然としたゴールや自分がなりたい姿のイメージ程度でよいのだと思います。

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