「山手線止めてんだぞ!」どちらが悪かったのか 利己的な乗客、激高した駅員ともに想像力が欠如
この動画やJR東日本の釈明を見た人々の議論が沸騰。「駅員が怒りすぎ」と「駅員に同情する」、「乗客があまりに身勝手すぎる」と「大幅な遅れやけが人がいないのならいいのでは」などの相反する声がネット上に飛び交う状態が今なお続いています。
つまり、「どちらが悪い」という議論になりがちなのですが、今回の騒動に関してその目線は正しいとは言えないでしょう。実際は「どちらも悪いところがあった」という要素が濃く、駅員と乗客の双方に大きく欠けていたものがあったのです。
ではこの駅員と乗客には何が欠けていたのか。また、私たちが同じ失敗を繰り返さないために、どのような対策や心構えが必要なのでしょうか。
身勝手な乗客に欠けた4つの想像力
乗客と駅員の双方に欠けていたのは、「本来誰もが持っているはず」というレベルの想像力。これに欠ける2人が対峙したため、今回の騒動が発生し、ここまで大きくなってしまった感は否めません。
まず事の発端を作った乗客は、「落としてしまった」「早く行きたいのに」といういら立ちからなのか、想像力がほとんど働かず「思考停止」の状態に近いほどの利己的な行動を取ってしまいました。
そもそも混雑するのが当たり前の渋谷駅で、しかも20時という時間帯。電車の間隔が3~4分と短いため、「もし線路に物を落としたら簡単には拾えない」ことくらいは想像できたはずです。また、電車の乗客は、少なくても数百人、多ければ2000人はいるそうですし、周囲を見渡せばホームにも数十人から数百人がいることがわかるでしょう。そんな状況のもと、下記の4点で想像力が欠けていたのです。
第1に「混雑する渋谷駅の線路に物を落としたら、どんなに時間がかかるかわからない」こと。第三者の目で冷静に見れば、「終電まで拾えない」という最悪のケースまで想像できるだけに、あまりに注意力が足りなかったのです。よく駅のホームで歩きスマホをしている人がいますが、その行為はこの乗客と同様に想像力が欠如していることの証と言っていいでしょう。
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