青木さやかさん「なんだかパソコンを使えない訳」 電源が入るものを避けていたらアナログ人間に
最近は文筆家としても評価の高い青木さやかさん。実はかなりのアナログ人間の青木さんですが、あえてアナログがいいとか、デジタルデトックスとか確固たる意志があるわけではなく、単純に「電源の入る類のもの」に興味がなく生きてきたらここまできた、と言います。そのめくるめく「アナログライフ」とは。青木さんの新著『厄介なオンナ』から抜粋してお伝えします。
世間に取り残されているのだろうか
自分がアナログだなぁと思ったことはない。ただ、今のものを知らないだけで、そもそも電源の入る類のものに興味がないだけだと思っているのだが、どんどん世間に取り残されているのだろうが、新しいものに触れる機会がないのだから取り残されている感覚すらない。幸せ。
時代の波についていけないかもしれない、と思ったのはいまに始まったことではない。ワタナベエンターテインメントに所属した2003年頃だったと思う。
「青木、家にFAXある?」
と当時のマネージャーさんに聞かれた。
「FAXって、あれですか、なんか、権利買うやつですか?」
「権利。権利ってなに?」
「権利買って、儲けるみたいなやつですよね、持ってないですね。権利」
「よくわからないけど」
「わたしもわからないんですけど、誘われたことありますね、権利」
「FAXの権利の話じゃなくて」
「はい、違いました?」
「FAX番号聞きたいんだけど、地図とか送るのに」
「あー。多分、ないです」
「多分って、なに?」
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