米国で電気自動車エンジニアの求人急増--自動車業界での経験問わないテスラ・モーターズ

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テスラの人事部は、人材探しを効率的に行うべく、次のような手順で採用活動を行っている。

 まず、自社サイト(www.teslamotors.com)やネット求人サイト大手のモンスターコム(www.monster.com)などを使い、オンラインで応募してきた求職者を書面選考する。その後、テスラ人事部は適切と思う相手に電話をかける。履歴書を基に、電話でどんな仕事をやりたいのか、どのように社に貢献できるのかという具体的な質問をする。テスラの簡単な歴史、工場所在地なども聞く。オンラインによる試験も20問程度あるそうだ。テスラCEO兼会長で映画『アイアンマン2』に出演したイーロン・マスク氏のエッセイ試験も行っている。プレゼンテーションスキルのチェックもする。

さらに有望な求職者には、入社した場合に上司となる管理職が電話して質問する。その後、グループインタビュー、1対1の対面インタビューなど、最低3回は面接がある。

このように入社前に念を入れて面接するのは、米国が訴訟社会だからだ。米国では、履歴書に年齢の記載が必要ない。年齢や男女、人種による差別、不当解雇関係の訴訟が多く、正当な理由がないと簡単に解雇できない。そこで、入社前の面接は何度も行い、能力とやる気を見極め、問題のない人員を採用しようとする。

テスラの採用で注目すべき点は、他の大手自動車メーカーがEV開発の経験者を求めているのに対し、テスラでは自動車業界での経験を必須条件としていないことだ。 

テスラはロボットのアームを製造したことのある者、営業経験はないが10代のやる気満々の若者、アップルでアイフォン開発に携わった人材などを、過去採用してきた。困難なプロジェクトに挑むことができる人材を求めているのだ。シリコンバレーで革新的な事業を継続していくには、新鮮な目で人材採用することも必要である。
(Ayako Jacobsson =東洋経済HRオンライン)

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