価格下落にコンビニも注目、「コメ」が家計を救う 前年比5.8%ダウン、「5キロ1100円台」も登場

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記者説明会に登場した竹増貞信社長は「2022年7月から23年6月のおにぎり全体の販売量を前年比30%増、コロナ前の2019年比で15%増という目標を設定している」と表明。そのうえで、今回の狙いについて「地域のブランド米のおにぎりをローソンが全国販売して認知向上し、お米の消費を拡大することで食料自給率への貢献をしていきたい」と語っていた。

まさに、機を見るに敏の好手である。まだ知られていないブランドも含めて各地のブランド米を全国で販売することで、認知度アップと消費拡大、そして食料自給率向上の一石三鳥が狙えるというわけだ。他のコンビニや外食各社がコメに着目した同様の企画を打ち出せば、コメの需要が高まって価格持ち直しの可能性がある。そうなれば生産者も潤うことになる。

国も吉本興業と連携してアピール

では、国はどうか。実は農水省も米の消費拡大サイト「やっぱりごはんでしょ!」を開設し、コメ消費拡大キャンペーンを展開中だ。最近はZ世代をターゲットに、食と農の魅力や重要性、生産現場の努力や創意工夫を発信することで若者の理解を深め、農業・農村の次世代への継承につなげていくことを目的とした「ニッポンフードシフト」を実施。その一環として、吉本興業と連携したコメの消費拡大に関する動画を作成したりしている。

動画の内容は「おいしいコメの炊き方」「ご飯のお供選手権」など。ご飯のお供選手権は、新たなご飯のお供を発掘するということで、4種類のお供が登場。ラード醤油、冷凍チャーハン、黒糖とゴマ塩といった意外な品を押さえて1位になったのはイナゴの佃煮だった。笑いを取りつつ新たな食の可能性を示そうという企画そのものは、面白いかもしれない。

食糧自給率37%(カロリーベース)で、6割以上を輸入に頼らざるを得ない日本は、今こそコメの活用法を真剣に考えるときだ。SNSなどを活用して、コメの種類、食べ方、コメ食のメリットなどをどんどん発信していくべきだろう。

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