「なおエ」の大谷翔平、7月トレード移籍の現実味 にわかにMLB「7月商戦」の渦中の人になったワケ

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今、大谷翔平はアメリカのファナティクスや日本のアシックス、デサント、三菱UFJフィナンシャル・グループなど、日米合わせて15社と広告契約をしている。これはMLBで最多だという。

またエンゼルスも船井電機やJAEなど日本企業のスポンサードを受けている。大谷翔平が球団にもたらす「マネー」も巨大だ。

MLBのMVPは全米記者協会に所属する記者の投票によって決まるが、近年、最重要視されるのがWAR(Wins Above Replacement)と言う指標だ。この指標は投球、打撃、守備のあらゆるデータを複雑な計算式で統合したものだが、投手も野手も同一の基準で比較できるので、MVP選出の重要な根拠とされている。

去年の大谷翔平のWARは断トツ

代表的なデータサイトの一つ、Baseball Referenceによれば昨年のアメリカン・リーグのWARのランキングは

1. 大谷翔平(エンゼルス)9.0
2. M・セミエン(ブルージェイズ)7.3
3. C・コレア(アストロズ)7.2
4. V・ゲレーロ(ブルージェイズ)6.8
5. J・ラミレス(インディアンス)6.7

だった。大谷は打撃タイトルなし、投手としても規定投球回数に到達しなかったが打者、投手の「合わせ技」で断トツのMVPを獲得したのだ。

今季は、ここまで打者としては昨年ほどの活躍ではない。しかしそれでも7月8日時点で大谷はWARでリーグ1位に位置している。

1. 大谷翔平(エンゼルス)4.3

2. Y・アルバレス(アストロズ)4.1

3. M・トラウト(エンゼルス)3.8

4. K・タッカー(アストロズ)3.7

5.A・ジャッジ(ヤンキース)3.6

WARは投手と打者を同じ指標で比較するために考案されたものだが、考案したアナリストも、まさか一人で投手でも打者でも数字を残すような選手が登場しようとは、夢にも思わなかったことだろう。

今後も投打で大谷が活躍する限り、大谷翔平は、MVPの有力候補として名前が載るだろう。記者の一部からは「二刀流」大谷の出現を受けて、MVPの評価基準を見直すべきと言う意見が上がっている。

そしてWARはMVPだけでなく、「年俸査定」の重要な指標となる。そのために大谷の年俸がどうなるか、が大きな話題となっている。

単独の打者、投手の場合、類似の成績、年齢の選手の年俸査定が参考になる。しかし大谷は、打者としては屈指のスラッガーであり、投手としても先発ローテーションの1,2番手を担える実力がある。

WARと同じように単純にスラッガーとエースの年俸を合算すると年俸は5000万ドル(67億円)~6000万ドル(81億円)と破天荒な数字になってしまう。メディアではすでにニューヨーク・メッツが80億円で獲得か、という記事も踊っている。

しかし「二刀流」の大谷は、怪我、故障のリスクも普通の選手よりも大きいとされる。MLBに来て5年目だが、すでにトミー・ジョン手術、左膝蓋骨手術と2回の手術を経験している。現在のようなフル出場がいつまで続くかも心もとないところだ。そのリスクも含めての「査定」が行われるだろう。

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