「排除の論理」――。
政治の話ではありません。ごく普通の職場の中でも「排除の論理」が見られます。2017年7月28日配信の「独身を追い詰める『悪意なき結婚圧力』の正体」という記事でご紹介したソロハラ=独身者に対する職場でのハラスメントなどは、独身者に対する「排除」の表れといってもいいかもしれません。
独身であることをイジり、無理に結婚を勧めることもソロハラに相当しますが、「これだけ言っているのに従わず、結婚しないあいつには問題がある」という解釈に至ると、職場での「独身者への排除の論理」が働きだします。
「子育て経験のない人間は部下育成もできない」?
具体的には、「未婚者の昇進からの排除」です。つまり、「結婚していないから昇進させない」ということです。その人本人の仕事の評価ではなく、結婚の有無が昇進に影響するなんて「ありえない話」と思われるでしょうか。しかし、事実、私自身が「ソロ男プロジェクト」の対面インタビュー調査にてそういう事例があることを複数確認しました。特に、40代以上の未婚男性に対して、管理職に昇進させないケースが多いようです。
結婚と昇進とに何の関係があるのか、という話ですが、「子どもを生み育てたこともない未婚人間に部下が育てられるはずがない」という理屈だそうです。子育てと職場での部下の育成がはたしてイコールなのでしょうか。
たとえば、北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督は未婚の独身です。就任6年間で2度のリーグ優勝、昨年は日本一にも輝くほか、中田翔、大谷翔平ら若手育成の手腕は高く評価されています。皆さんの周りにも、部下の育成に長けた独身者がいるのではないでしょうか。未婚や子を持たないことと、仕事の成績や部下の育成との間に因果関係があるとは断言できないと思います。
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