まず、10年間で女性管理職比率が増加した会社ランキングを紹介する。
1位は32.4ポイント(4.7%→37.1%)増加した国内流通大手のイオンだ。会社規模拡大の影響もあるが、女性管理職数は10年間で5442人(64人→5506人)増えている。女性社員が長く働き、管理職を務めるには会社による仕事と家庭の両立支援制度整備が重要と考える。同社は、グループとして女性管理職比率を2025年度までに50%にすることを目標としており、最大で子が小学校を卒業するまで間、男女問わずに育児勤務ができる。育児・介護等の制度はパート社員にも適用されており、育児休業後の復職率はほぼ100%だという。
従業員の多様な働き方支援の事業所内保育園を全国31カ所に設置し、また店舗内に学童保育支援として「イオン放課後学級」、介護支援として介護サービス施設の設置も始めている。次世代育成への支援、職場を通して親子が触れ合う場を提供するため、本社で子ども参観日を開催するなど、特徴的な両立支援制度を導入している。
仕事と家庭の両立支援制度が充実
2位は31.0ポイント増加(2.3%→33.3%)した生保大手の明治安田生命保険だ。女性管理職数は313人(94人→407人)増えている。同社は、2023年度までに営業職員(MYライフプランアドバイザー等)の幹部等を含む女性管理職を3分の2とするとともに、課長相当職以上の女性管理職比率30%を堅持することを目標としている。
同社の特筆すべき仕事と家庭の両立支援制度としては、「総合職(全国型)」と「総合職(地域型)」の相互の職種変更ができる型変更制度、結婚や親の介護等により転居が必要になる場合に勤務地を変更することができる勤務地変更(Iターン)制度、結婚・出産・育児・介護を理由に退職せざるをえなくなってしまった場合でも、勤続3年以上かつ退職後10年以内等、一定の条件を満たす場合に再雇用を行う再雇用制度などがある。
3位は28.6ポイント(13.5%→42.1%)増加したリクルートホールディングスだが、同社の場合は持ち株会社に移行した影響を受けていると思われる。
4位は22.6ポイント(7.5%→30.1%)増加した朝日生命保険。女性管理職数は270人(131人→401人)増えている。同社は2024年始めに女性リーダー比率33%を目標としている。同社では仕事と家庭の両立支援制度として、総合職(地域型)対象の配偶者転勤の同行制度や総合職(全国型)・営業所長(女性)対象の仕事と家庭の両立するための異動配慮のほか、育児休職から復職後1カ月以内で5日を限度に取得できる「育児エントリー休暇」制度や年間12日を限度に介護休暇を付与する制度がある。
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