凄い活気!女子プロ「スターダム」大躍進のウラ側 ブシロード社長兼会長の木谷高明氏に聞く(後編)

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アクロバティックな動きや激しい試合も多いスターダム(写真提供:ブシロード)

――選手はどのくらいの期間トレーニングをしてからデビューしているのでしょう?

男子の場合、デビュー後に海外修行に行き、その後に国内で本格的にリングに立つので、実質的に6年ほどかかっています。けれど女子の場合、同じ流れを踏むと、デビューが30歳近くになってしまうこともある。結婚をする選手もいますし、そうなるとなかなかできる仕事ではないので、女子は1年ほどでデビューしています。

トレーニングはユニットごとの練習と、月に数回、元プロレスラーのミラノコレクションA.T.さんに指導をしてもらっています。新日本プロレスのレスラーからアドバイスをもらうこともあって、この2年でかなり上達しましたね。

――スターダムは激しい試合や技も見どころですが、レスラーが大ケガをしないよう、安全対策で心掛けていることがあれば教えてください

まず過密日程を組まないこと。あとはマッチメーカーが全試合を見て、つねに選手たちのコンディションをチェックしています。

特に年齢が高くなると、体が硬くなっていきます。若いときは何でもないことも、ダメージになって蓄積してしまう。なので、30代の選手はなるべくシングルを避け、タッグマッチにするなどして、できるだけ負担を減らしています。

スターダムを成長させることで業界に貢献

――女子プロレス業界、ひいてはエンタメコンテンツのなかで、どのようなあり方やポジションを目指していくのでしょう?

ほかのコンテンツに勝つために、情報量が必要な時代です。現在、スターダムが特に力を入れているのはYouTube。3時間の大会を月12回開催すれば、36時間分の動画になります。それを短く編集して、どんどんアップしています。

通常は、ゼロからコンテンツをつくらないといけないので、コストがかかりますよね。プロレスは、お客さんに観戦していただきながら、同時にコンテンツにもなる。量をつくることができるので、時代に合っていると思います。

コンテンツ配信というビジネス面でも可能性を秘めている(写真提供:ブシロード)

次は質の部分、試合はもちろん演出など、あらゆる部分のクオリティーを上げながら、スケール感をつくっていきます。ゆくゆくは、新日本プロレス並みの売り上げになるのも夢ではないと思っています。

スターダムが大きくなれば、女子プロレス業界にすきまがたくさんできますし、そのなかで活動していく団体もきっとあります。なので、スターダムを成長させることが、結果的に女子プロレス界への貢献にもなると思っています。

(この記事の前編:売上5倍!女子プロレス「スターダム」大躍進のワケ

スターダムの試合のため行列するファン。この熱気が女子プロレス界全体に波及していくか(写真提供:ブシロード)
肥沼 和之 フリーライター・ジャーナリスト

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こえぬま かずゆき / Kazuyuki Koenuma

1980年東京都生まれ。ルポルタージュや報道系の記事を主に手掛ける。著書に『究極の愛について語るときに僕たちの語ること』(青月社)、『フリーライターとして稼いでいく方法、教えます。』(実務教育出版)。東京・新宿ゴールデン街の文壇バー「月に吠える」のオーナーでもある。ライフワークは愛の研究。

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