凄い活気!女子プロ「スターダム」大躍進のウラ側 ブシロード社長兼会長の木谷高明氏に聞く(後編)
――選手たちは生き生きして楽しそうとのことですが、人が集まるとどうしても発生しがちな人間関係の問題は?
特に問題はないですね。選手たちは練習も熱心に頑張っていますし、上にいる選手たちは精神的にも大人です。
例えばスターライト・キッド選手やAZM選手は、小学生のころからキッズレスラーとして活動しているので、業界歴は10年近く。年齢は若くても、30歳の社会人のような大人の感覚を持っていて、後輩たちに気を配っているので、問題も起きにくいのだと思います。
――かつての女子プロレスは、男・酒・タバコを禁止する「三禁」があったそうですが、スターダムにはどんなルールがあるのですか?
ないですね。恋愛もOKですし、仮に発覚したとしても、活動に問題はないと思います。むしろ、みんなネタにしてしまうのでは(笑)。
前に記者会見で、中野たむ選手が「木谷さん、結婚してください!」って言い出したことがありました。私は妻子持ちですので、もちろん丁寧にお断りしましたが(笑)。
これがもし声優だったら、人気が下がってしまうところですが、プロレスではそんなことを問題にするファンは誰もいない。全部ひっくるめてプロレスで、面白ければOKなので、とてもラクなんですよね。
舞台、美容などの仕事を入れるワケ
――とはいえ、選手たちも悩むことはあるかと思いますが、ケアはどのように行っているのでしょう?
ひとつは、少人数での食事会を定期的に開く、要望には耳を傾けるなどして、コミュニケーションをたくさん取っています。
あとは、選手たちが楽しめる仕事を入れるのもそう。チャンスがあれば女優業をしたい、と言っていた選手が、舞台に出演して喜んでいたこともありました。美容院とコラボして、かわいらしくスタイリングしてもらえるYouTubeの企画があるのですが、みんなうれしそうにしていますよね。
基本的にみんな、人前に出ることが好きなんですよね。そして格好よい姿やかわいい姿を見せたいので、それを会社として応援しています。
実は僕も、美容に対する女性の気持ちを少しでも理解できたらと、美容クリニックに通って、アンチエイジングの点滴などを打ったりしています。
――待遇面はどのような仕組みなのですか?
スターダムでは少しずつ待遇を手厚くなるようにしています。女子プロレス界では、人気のある選手が(世界最高峰のプロレス団体)WWEに移籍してしまうケースがあります。それは、国内ではよい待遇の団体がなかったからではないでしょうか。待遇を改善しないと、女子プロレスはメジャーになれないし、選手も安心してプロレスに専念できません。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら