春ドラマの最終回にガッカリの声が続出した事情 放送枠が増えても質の低下で見逃し配信も低調

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

恋愛ドラマはいったん下火になった後、この2年で再ブームとなり、毎クール何本かが放送されているが、ジェンダー平等や性的マイノリティの観点を取り込み、恋愛しない人へも配慮し…と誰も傷つけないことを心がけ、かと言って、性的マイノリティの人を主人公にするなどの問題意識も提示できず、どっちつかずでカタルシスを提供できなくなっている。

火曜ドラマ「持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~」(TBS系)も年齢差のある恋や昔ながらのお見合い結婚など、恋愛の多様性を丁寧に描いていたが、肝心の上野樹里演じるヒロインとその想い人である子持ち男性(田中圭)の恋については大きな盛り上がりがなく、ステップファミリー(子連れ再婚家庭)のリアルにも迫れなかった。

また、配信サービスで再生回数が伸びるはずのサスペンスドラマも不調。柴咲コウと高橋一生の共演作として期待値が高かった金曜ドラマ「インビジブル」(TBS系)も熱狂を呼べなかった。インビジブルとは暗殺依頼を受け殺人者を派遣する“犯罪コーディネーター”のことだが、海外ドラマならある程度リアルに思える設定も、日本では現実味がない。

逆にフィクション性を高めるにしても、過去に同枠で人気を博し映画化もされた「ケイゾク」「SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜」のようなカルト的な世界観を構築できなかった。最終回は真の黒幕と判明した人物がひたすら露悪的に振舞うばかり。Twitterの感想にも「犯人に意外性がない」「展開が読めすぎて、つまらない」という声が挙がっていた。

「マイファミリー」は春ドラマの勝ち組だったが・・・

「インビジブル」と同じTBSの日曜劇場「マイファミリー」は、考察系の作りが上手くいった例で春ドラマの勝ち組。二宮和也演じる主人公が最初は娘を誘拐された被害者だったが、やがて誘拐犯に協力せざるをえなくなり、自らも警察に追われる身になるという、立場が二転三転する展開はこれまでにないもので、ネットでの感想も好意的だった。

だが、実は警察内部に真犯人がいたというオチは「インビジブル」と同じ。犯人を追う警察の中にまさか……というのは既に使い古されたサプライズであり、最終回は「同じクールでまさか……」という思いだった。そもそも、現実の警察にも不祥事はあるだろうが、警察官という立場から一線も二線も踏み越えて罪を犯す人間がそんなに何人も紛れ込んでいるはずはないので、リアリティに欠ける。

次ページ男性のヒロイズムを描く路線も限界が・・・
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事