「子どものワガママと我慢」との正しい向き合い方 我が子の才能を開花させるために親がすべき事
たしかに、遺伝的な素質のちがいはかならずあります。
実際、5歳くらいになるまでには、かなりエンジンの大きさに差があることが見えてきます。いわゆる、「やる気」「自我」「積極性」と呼ばれるような性質です。
これらを遺伝で説明するのはナンセンスです。大人は子どものエンジンの状態を見ぬく必要があります。子どものエンジンが、スポーツカー並みに大きいものなのか、軽自動車みたいに小さいものなのか、ジェット旅客機のようなものなのか。挑戦することは楽しいこと、成功すればうれしいけれども失敗しても恥ずかしいことではない。そのように育てられた子どもは、大きなエンジンになっているはずです。
そして次に大事なのは、そのエンジンに見合ったブレーキが備わっているかどうかです。
エンジンがジェット機並みの子には、それなりの制御装置が必要です。もしも、そのジェット機並みの子のブレーキが軽自動車並みだとしたら、がまんを教えないといけません。動因が低く、原付バイクのような子に、フェラーリのブレーキは不要です。わがままを引きだすことが必要になります。
エンジンとブレーキのバランスをとる
つまり、わがままとがまんは、両方を育てていかないといけないのです。エンジンとブレーキの状態は人それぞれ。百人百様です。
私は、エンジンを育てる方法も知っていますし、ブレーキを育てる方法も知っていますし、それらのバランス評価をかなり大切にしています。
あたり前のことですが、わがままの種類が、友達の物を盗る、順番や約束を守らないという身勝手な行動であれば、それを育てるのではなく、ゆずる、交換するということを教えていかなくてはなりません。そしてそういう子を叱るばかりではなく、リーダーシップを発揮できるような場面で、エンジンをフル稼働させてあげればいいのです。
すぐにブレーキがかかってしまう子なら、思いきり外を走り回らせてあげ(つまり、新しい楽しいことを見つける手助けをして)、エンジンを活性化させることも大切です。
一人ひとりをよく見て、エンジンとブレーキのバランスをとることが必要なのです。
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