岸田ブレーンが語る日本経済低迷の「真犯人」 村井英樹首相補佐官が語る「岸田政策」の裏側
加えて、岸田政権は今春、資産所得倍増を打ち出した。
所得には、大きく労働所得と資産所得がある。先ほど申し上げたとおり、労働所得を押し上げていくことはもちろんだが、資産所得も併せて増やすことが必要だ。
わが国個人の金融資産は約2000兆円と言われているが、その半分以上が預現金で保有されている。この結果、過去20年間でアメリカの家計金融資産が3倍、イギリスでは2.3倍になったのに対し、日本は1.4倍にとどまっている。
国民運動で資産所得を倍増
――その差は、この間の経済成長力の差の結果と言ってしまえばそれまでですが、あえて資産所得倍増を打ち出した背景には「老後不安」の軽減という狙いもある?
まずは、公的年金シミュレーターを多くの方に活用していただき、それをきっかけに老後の生活設計・資産形成に一歩足を踏み出していただきたい。
また、年末には、NISA(少額投資非課税制度)の拡充などを含めた「資産所得倍増プラン」を策定することとなっている。こうした施策を積み重ね、民間も巻き込んだ国民運動を展開することで、資産所得の倍増につなげていきたい。
――日本の企業や組織における課題も強調されていますね。
二極化が進んできているように思う。柔軟な組織構造を取り入れて、社員のやる気と挑戦を引き出しどんどん伸びる企業と、硬直的な組織文化を維持して、閉塞感にあえぐ組織だ。日本経済社会にとっては、前者のような企業を応援するとともに、後者のような組織に変革を促すことが重要だと思う。
私は、さいたま市で3人の息子を育てているが、子育て仲間のパパ友との話が非常におもしろい。伸びているベンチャー企業に勤めているようなお父さんは、なぜか時間に余裕があり、子育てにも積極的に参加していることが多い。
他方、役所や古式ゆかしい企業にお務めのお父さんは、なぜか帰りが遅く、子育ては「週末だけ」といったケースが多い。
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