「早く追加接種をしたいのですが、どうすればいいでしょうか」
外来診療で、しばしば受ける相談だ。このような場合、私は「ケース・バイ・ケースです」と答えることにしている。持病を有する高齢者はともかく、ほとんどの人は急いで打つ必要はないからだ。いや、接種時期は少し見合わせたほうがいいくらいだ。なぜだろうか。
それは、コロナワクチンによって獲得される免疫は、接種後、時間が経つとともに弱まるからだ。2月11日、アメリカ疾病対策センター(CDC)の研究チームは、追加接種により、オミクロン株感染による外来受診、および入院を、接種後2カ月までは、87%、91%予防したが、その効果は同4カ月の段階では、66%および78%まで低下したと報告している。
次の流行の予測が必要
コロナワクチンによる免疫が、時間の経過とともに減衰するのは、追加接種に限った話ではない。同様の現象は、2回接種後の免疫を評価した複数の研究グループから報告されている。どうやら、コロナワクチンは、麻疹や風疹ワクチンなどのように、1回打つと効果が永続するのではなく、インフルエンザワクチンのように流行に合わせて何度も打たなければならないようだ。
ちなみに、インフルエンザワクチンの効果持続期間は5カ月程度だ。流行が本格化する12~1月に対応するため、秋以降に接種されている。まったく同じ議論が、コロナワクチンでも必要だ。
追加接種の議論で重要なのは、次の流行の予測だ。注目すべきは、日本では、過去2年間、春夏冬に流行を繰り返してきたことだ(図1)。
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